下田市の市立小学校で2番目に児童数が多い稲生沢小学校(下田市立野)で12月6日、創立150周年記念集会が開かれた。
創立は1873(明治6)年。当時は家庭の労働力として見られていた子どもたちを学校に通わせることへの反対意見もあったが、教育の重要性を訴える地域の人々の尽力により、同校の前身である「知新館」が現在の地に建てられた。
集会では、3年生が自分たちで調べた母校の歴史を発表。「100年前はグラウンドが上下に分かれていたが、地域の人たちの協力で今のような校庭になった」など、150年間のさまざまな出来事を映像やクイズを交えて説明した。「『稲生沢小学校』という名前になるまでに7回も名前が変わった」という話では、児童たちから驚きの声が上がった。
発表後、桑原光校長が登壇し、同校の歩みを振り返った。その中で桑原校長は、以前校庭にあったドングリの木についても触れた。70年前の写真にも写っていたこの木は、3階建ての校舎より高かったが、2004(平成16年)年10月の大型台風で倒れ、2016(平成28)年に完全に取り除かれた。しかし、その切り株は今でも玄関ホールに飾られ、学校のシンボルとして親しまれている。桑原校長は「皆さんもたくましく成長し、この素晴らしい学校を守ってほしい」と児童たちに語りかけた。
参加した児童からは「150周年の節目を祝えてうれしい」「長い歴史を誇りに思う」などの感想が聞かれた。