今年創立150周年を迎えた下田市立下田小学校(下田市五丁目)で11月21日、卒業生有志による記念品の贈呈式が行われ、全校児童207人に校章が入ったテープカッターが贈られた。
「下田小学校150周年を祝う会」メンバー(左から植松さん、橋本さん、徳島さん、鈴木さん)
1873(明治6)年に開校された同校は伊豆南エリア(賀茂地域)で最も児童数が多い小学校で、ピーク時には約1400人の児童が在籍していた。
記念品贈呈を主導した「下田小学校150周年を祝う会」は、市内で食料品店を営む橋本智洋さんを代表に、鍼灸(しんきゅう)院を営む鈴木晴一朗さん、老舗すし店4代目の植松隆二さん、飲食店を経営する徳島一信さんら、同校の卒業生4人のグループ。
「自分が在校していた時に100周年を迎え、『至誠 100周年』の人文字を作って航空写真を撮影したのを覚えている」と橋本さん。1985(昭和60)年の校舎移転時の記念品である黄色いテープカッターを懐かしむメンバーの声などを受け、150周年記念に児童に記憶に残ることをしたいと思い立った。
橋本さんたちは記念品贈呈の後、昔の下田小学校の写真をスライドで見せながら当時の様子を振り返り、「体育館ができる前の『講堂』でNHKのコンサートが開かれた」「運動会でははだしで組み体操をやった」「日本の写真開祖の一人といわれる下岡蓮杖の生誕祭の際には『パノラマ音頭』を踊った」などのエピソードを紹介。贈呈式の最後には、全校児童と共に校歌を歌った。
贈呈式に参加した女子児童は「テープカッターをもらえてうれしい。ずっと大事にする」と話していた。
記念品の費用は、主に下田市民からの寄付で賄った。今年9月から市内9店舗に募金箱を設置し、SNSでも寄付を募った。1カ月半と短期間だったが、目標金額の25万円を大幅に超える42万9,000円もの寄付金が集まった。記念品購入費用を差し引いた残額は同校へ寄付する。
橋本さんは「卒業してもこのテープカッターを見て、母校を思い出してもらえれば」と話す。11月28日には下田市民文化会館で創立150周年記念式典が行われる。