![東伊豆町ダイロクキッチンに集められたアート作品たち](https://images.keizai.biz/shimoda_keizai/headline/1670373627_photo.jpg)
日本の写真家や画家たちのアート作品の海外販売やデジタル販売に取り組むDAO「GALLERY(ギャラリー)待庵(たいあん)」が12月4日、伊豆稲取駅から徒歩6分のレンタルスペース「ダイロクキッチン」(東伊豆町稲取)で展示会を開催した。
DAOは日本語で分散型自律組織と呼ばれ、組織が発行する暗号資産を持つ人が意思決定に参加できる組織運営の形。「ギャラリー待庵」には自分たちの作品の海外販売やデジタル販売に取り組みたいアーティスト24人が参加しており、2022年9月に活動を始めた。
同DAOに参加する東向一彦さんは「アート市場の規模は日本国内より海外のほうが圧倒的に大きい。1人で作品を海外に持っていくのは大変だが、DAOとしてまとまればコストを圧縮できる」と話す。
今回の展示会は、海外発送前のアート作品を一カ所に集めて計量や梱包を行う作業を公開する形で実施した。「海外発送準備は国内のどこでやってもコストは大して変わらない。大都市ではなく東伊豆町で作業を行うことで、地方創生の意味も持たせたかった」と東向さん。この日は約20点の作品が展示され、その場での購入も受け付けた。
作業場所として東伊豆町を選んだ背景には、同DAOに参加する丹野徹さんの存在がある。丹野さんは東京やニューヨークでも個展を開く写真家。以前より地方移住をしてみたいと思っていたが、コロナ禍を機に東伊豆町に移り住んだ。「自然が豊かな東伊豆町は、芸術家にとって刺激が多い」と丹野さん。
「朝から地元の人たちが途切れることなく訪れ、『面白い作品が並んでいる』などの感想を聞くことができた。東伊豆町は創作には素晴らしい環境なので、これからアート分野が盛り上がるのでは」と東向さんは期待を込める。
今回梱包された作品は、大阪港から船便で海外に運ばれる予定だという。