松崎町特産の桑葉の粉末を練り込んだ「くわ葉ジェラート」の販売が8月10日、企業組合「松崎桑葉ファーム」の直売所「くわや」(松崎町松崎)で始まった。
恵まれた気候風土から、明治から昭和初期にかけて養蚕と桑の栽培が盛んだった松崎町。全国に先駆けて開かれた繭市場には、多くの商人が生糸の買い付けに訪れた。
そうした歴史を持つ同町では、桑葉による「まちおこし」を目指して2014(平成26)年に松崎桑葉ファームが立ち上がり、町内の耕作放棄地を活用した無農薬での食用桑の栽培と、収穫した葉を粉末にして製茶化している。
今回販売を始めた「くわ葉ジェラート」(400円)は、乳製品の生産や加工を行う「いでぼく」(富士宮市)と共同開発したもの。店長の関緑(ゆかり)さんは「これまではお茶がメインで、他は粉末を練り込んだそばやうどんがあった。若い人にも桑の葉を楽しんでもらいたいと考えた」と開発のきっかけを話す。
8月10日~12日には各日先着50人での試食販売を実施。試食した客からは「抹茶アイスに似た風味だが、苦味がなくすっきり食べやすい」「これなら子どもも食べられそう」などの感想が聞かれた。試食後のアンケートでは風味や色など味については総じて好評だったという。
今後について、関さんは「ジェラートは年間を通じて販売していく。松崎町内のケーキ店と桑の葉を使ったスイーツ開発の話も持ち上がっている」と意欲を見せる。