子どもたちが図書館以外の場所でも自由に本を読んだり借りたりすることができる「下田こどもとしょかん」が6月12日から始まり、これまでに「岩下区集会所」(下田市六丁目)、「敷根プール」(敷根)、「WITH A TREE」(西本郷)の3カ所に小さな私設図書館がオープンしている。
市立図書館の蔵書を市内各所で読むことができる「下田まちじゅう図書館」が4月に始まったが、本が置かれている場所がカフェや宿泊施設のため、子どもは利用することが難しい。そこで元教員の渡辺久志さんが中心となり、アメリカで始まった「リトルフリーライブラリー」に着想を得て、子どもたちにも気軽に本を読んだり借りたりできる場所を作りたいと有志数人で準備に取り組んだ。
本を置く3カ所では本を自由に借りることができ、返却日も決まっていない。家で読まなくなった本を「こどもとしょかん」の本箱に寄付することもできる。スタッフの萩原和美さんは「『こどもとしょかん』が子どもたちの居場所になってくれればうれしい」と話す。
3カ所の図書館の中で最も広い「WITH A TREE」は、元々は倉庫だった場所をリノベーションしたコミュニティースペース。木工プロダクトの制作も行われている室内には廃材で作られた大きな机があり、その周りに椅子やソファ、畳などを置き、好きな場所でくつろぐことができるようにしている。同所で「下田こどもとしょかん」がオープンした6月17日には多くの子どもたちが訪れ、おのおの好きな場所で気に入った本を読む姿が見られた。
近所に住む親子は「近くにこんなゆっくり本を読める場所ができてうれしい。今度は家の本を持ってきたい」と話していた。
開館時間は、岩下区集会所=無人・年中無休、「WITH A TREE」=土曜10時~16時、敷根プール=平日8時30分~20時、土曜・日曜8時30分~18時(月曜定休)。敷根プールのみ9月30日まで。開館時間の変更やイベントなどはインスタグラムで知らせる。