食品メーカー「東洋水産」が西伊豆町で5月19日、カサゴなどの稚魚放流活動を行い、同町の伊豆海認定こども園と仁科認定こども園の年長17人の園児らが大田子海岸(西伊豆町田子)での放流活動を手伝った。
この活動は、東洋水産が地域貢献活動の一環として1996(平成8)年から毎年実施しているもので、創業者の故・森和夫さんが西伊豆町出身であることが縁で始まった。「水産資源の保護・育成」と「水産業や観光業における地域活性化」の一助となることを目指し、これまでに合計約42万匹の稚魚を放流してきた。
園児らは「大きくなーれ」と声援を送りながら、カサゴなどの稚魚を約600匹を放流。元気に泳いでいく魚を見送りながら「楽しかった」「大きく育ってほしい」などの声を上げた。放流されたカサゴの稚魚は約2年で20センチほどに育ち、漁の対象になるという。
その後、同社社員が伊豆海こども園で食育ミニ講座を開催。カサゴの生態についてクイズ形式で説明したり、同社商品「赤いきつね」「緑のたぬき」のだしにも使われる地元特産の「かつお節」について紹介したりした。園児らは削る前のかつお節を手に取り、匂いや硬さを確認しながら笑顔を見せた。
同社CSR広報部の吉澤亮さんは「毎年の恒例行事として地元園児らにも楽しんでもらえている。縁のある地で、今後もこの活動を継続していきたい」と話す。
同日、伊豆漁業協同組合協力の下、田子港沖合、仁科港沖合、安良里港沖合でも放流され、園児らが放流したものと合わせて約1万匹のカサゴの稚魚が放流された。