河津建設(下田市中)が11月1日、毎年恒例の海底熟成ワイン造りのため、市内の宿泊業者や飲食店から預かった約1000本のワインを下田湾に沈める作業を行った。
1914(大正3)年創業の同社は県内の公共工事を中心に建築・土木・港湾・農林治山工事を行っているが、2017(平成29)年から地域貢献事業としてワインの海底熟成に取り組んでいる。市内の飲食店や宿泊業者から持ち込まれたワインを同社が有するクレーン船で下田湾に沈め、約半年間熟成させる。海底熟成に関わる費用は無料。
同社取締役の河津元さんは「河津建設の強みを生かして、下田の主力産業である観光を盛り上げたいという思いでスタートした」と振り返る。海底熟成の効果については、「以前ソムリエに依頼した官能評価では、陸上で熟成させたワインに比べて香りやうまみが増すという結果が出た。飲み比べるとはっきりと違いが分かる」と自信を見せる。
今回は沈めたワインは、市内の宿泊業者・飲食店・酒販店のほか、個人からのワインの持ち込みもあったという。来年4月下旬に引き上げて返却する予定。
今後については、「今回は下田市からの依頼で、ふるさと納税の返礼品となるワインも一緒に沈めた。以前は東急と協力し、ワインを沈める作業を体験型観光のコンテンツとしたこともあった。希望する企業や団体とは今後も積極的にコラボしていきたい」と意欲を見せる。