「日本一の夕陽(ゆうひ)のまち」を掲げる西伊豆町でも屈指の夕日スポットで、「日本の夕陽百選」にも認定されている大田子(おおたご)海岸を拠点にリヤカーでコーヒーや焼き菓子を提供する「西伊豆コーヒースタンド」が5月5日、営業を始めて半年を迎えた。
夕日を眺めながらコーヒーや焼き菓子を楽しむことができる(関連画像6枚)
店主の新井雄貴さん・直子さん夫婦は2022年4月に東京から西伊豆町へ移住。田舎暮らしへの憧れを実現するために移住先を探し、初めて訪れた西伊豆町の自然豊かな景観や海産物を中心とした食文化、地域住民のあたたかさを気に入り移住を決意した。
雄貴さんは移住前、IT企業で働く傍ら、イベントやパーティー会場への出張料理や、料理教室などを行っていた経験を持つ。現在は、西伊豆町地域おこし協力隊として農業や観光に関わる分野で活動するほか、無農薬野菜の栽培にも取り組んでいる。
開業のきっかけについて、雄貴さんは「大田子海岸で夕日を眺めていた時に『夕日を見ながらコーヒーが飲めたら良いのに』と思った」と振り返る。「夕暮れ時には観光客や地域住民でにぎわう大田子海岸で、夕日スポットの目印のような存在になれたら」という思いで、リヤカーでの営業を決めたという。リヤカーは、知人に書いてもらった図面を元に約1カ月かけて夫婦で力を合わせ自作した。
メニューは「ドリップコーヒー」(500円)のほか、「カフェラテ」「コーヒートニック」(以上600円)を提供する。焼き菓子は「カヌレ」(300円)を定番で用意。カヌレはネット販売も行っている。
その他、地元特産の温泉海塩「さんぽの塩」を使った「ソルティーマカロン」(300円)など、地域の特産品を使ったメニューの開発にも積極的に取り組む。今月からは「カネサ鰹(かつお)節商店」(西伊豆町田子)協力の下、特産の「本枯れ節」を使った新メニュー「極み出汁(だし)」(1,000円)の提供も始めた。注文すると、その場でかつお節削りを体験することもできる。
「近隣市町や山梨県など、遠方から足を運んでくれるリピーターもいる。思った以上に地元の人が多く立ち寄ってくれてとてもうれしい」と直子さんは話す。「これから大田子海岸での初めての海水浴シーズンを迎える。海水浴客向けの新メニューの開発をワクワクしながら進めている」とも。
5月の営業時間は16時~18時。月ごとに日没時刻に合わせて約2時間、営業する。雨天や強風の日は休業。営業時間やイベントへの出店情報はインスタグラムで知らせる。