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下田「ゲストハウス甲州屋」が1周年 「伊豆の踊り子」の宿生かし開業

英語が堪能な芸者女将の山口久恵さん

英語が堪能な芸者女将の山口久恵さん

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 川端康成の小説「伊豆の踊り子」にも登場した建物を生かして開業した「Guest House (ゲストハウス)甲州屋」(下田市一丁目)が4月29日、1周年を迎えた。

先代から引き継いだレトロな看板(関連画像7枚)

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 切り盛りするのは、横浜市出身の山口久恵さん家族。サーフトリップで訪れた下田に引かれて移住し、市内のゲストハウスで住み込みで働いた経験を生かし、自身でもゲストハウスの運営を始めた。

 建物は市の「空き家バンク」を通じて見つけた。川端康成の小説「伊豆の踊り子」にも登場したという歴史を伝承したいと「可能な限り当時のままの姿を生かしている」という。

 客室は6畳と4畳半が2部屋ずつ。浴室・トイレ・洗面所は共有。客室は広くない分、宿泊客の集いの場であるコモンルーム(コミュニティースペース)にゆとりを持たせたリノベーションを行い、畳とフローリングから成る空間を作り上げた。

 「宿のコンセプトは『親戚の家』。都会で疲弊した心身をほっと一息つかせ、下田を満喫して元気になってほしい」と話す山口さん。昔ながらの和室や、下田芸者としても活躍する女将(おかみ)の着物姿は外国人にも好評だという。

 同施設は下田市の移住希望者宿泊補助金の対象施設にも指定されている。滞在する移住希望者には、山口さん家族の移住の実体験や、下田での子育て世帯当事者としてのリアルな声も届ける。

 この制度を利用して移住を決めた30代女性は「甲州屋は下田の市街地にあり、飲食店へのアクセスもいい。同じ子育て中の女将さんから暮らしの様子をたくさん聞けて、移住後の生活をイメージしやすかった」と振り返る。

 「今後はコモンルームでの展示会や芸者体験ツアーなど、下田で一年を通して楽しんでもらえる宿にしたい」と山口さんは意欲を見せる。

 予約はホームページやSNSで受け付ける。

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