伊豆熱川の温泉熱を利用してワニの飼育や熱帯植物の栽培をしている「熱川バナナワニ園」(東伊豆町奈良本)の分園中庭で4月19日、珍奇植物「ドリアンテス」が開花した。約2メートルの幹の先端50センチほどに、鮮やかな赤い花がたくさん集まって咲いている。
1958(昭和33)年に開園した同園は日本一多くの種類のワニを飼育していることで知られているが、園内各所での約5000種類の熱帯植物の栽培にも力を入れている。最も有名なのは園名にもあるバナナだが、女王の耳飾りの別名を持つヒスイカズラや、オレンジ色の花が特徴的なトゲオニソテツなど、普段は目にする機会の少ない色とりどりの植物を楽しむこともできる。
ドリアンテスはオーストラリア原産の多肉植物で、地表に放射状に広がる葉っぱの中心から太い茎を伸ばし、その先に鮮やかな紅色のつぼみや花を付ける。花を咲かせるのが非常に難しいことから国内での栽培例は少なく、開花例を有する植物園は非常に珍しい。同園では1990(平成2)年に友の会会員から寄贈された苗を育て続けているが、33年間の育成の中でも花を付けたのは、わずか4回だという。
副園長の神山浩子さんは「実際に見てみると心を奪われるほど花の色が鮮やか。国内ではほとんど見られない花に出合えるこの機会を逃さぬよう、ぜひ多くの人に来園してほしい」と呼びかける。
開園時間は9時~17時。入園料は、おとな=1,800円、こども(4歳~小学生)=900円、4歳未満無料。ドリアンテスの花は今月いっぱい見頃が続く見込みだという。