下田市で最も多くの人が集まるイベント「第84回黒船祭」が5月19日~21日の3日間、開催される。コロナ禍で中止や期間短縮が続いていたが、3日間開催は4年ぶり。
昨年の「にぎわいパレード」の1コマ、時代劇衣装を着た人も練り歩く
下田には1854年、日米和親条約を締結したペリー艦隊が来航し、玉泉寺(下田市柿崎)に日本で最初の領事館が置かれた。黒船祭は1934(昭和9)年、下田開港に尽くした人々の偉業をたたえ世界平和と国際親善に貢献することを目的に始まった。毎年5月第3金曜とそれに続く土曜・日曜に開催するのが恒例で、コロナ禍以前は毎年約20万人の人出でにぎわう市内最大のイベントとなっていた。
一番の見どころは土曜・日曜に行うパレード。土曜は「記念公式パレード」として、両国の国旗を掲げるアメリカ第七艦隊や海上自衛隊、来賓の米国大使を乗せた車などが下田公園から下田市民文化センターまで約2.5キロにわたってパレードを行う。今年は在名古屋米国領事館の首席領事が参加予定だという。日曜の「にぎわいパレード」には音楽隊に加え、着物や時代劇衣装などに身を包んだ人も参加し、さらににぎやかな雰囲気となる。
その他、4カ所から間断なく花火が打ち上げられる「海上花火大会」や、日米外交の様子をコミカルに演じる「再現劇『日米下田調印』」、全国各地のゆるキャラが集まる「ゆるキャラスタンプラリー」、海上自衛隊横須賀音楽隊と米軍第七艦隊音楽隊が出演する「黒船サンセットコンサート」などのイベントも予定するほか、街なかには多数の屋台が並び食べ歩きを楽しむことができる。
下田市観光交流課の佐々木さんは「久しぶりのフル開催を楽しんでほしい。コロナ禍は鎖国のような状態だったと思う。今回の黒船祭が、改めて国を開きリスタートするきっかけになれば」と期待を込める。