稲生沢川の河口近く、桜並木が美しい本郷公園(下田市東本郷)で4月9日、4年ぶりとなる「東本郷桜まつり」が開催された。今年は桜の開花が早かったことに加え、開催前数日の雨と強風で桜の見頃は過ぎてしまっていたものの、祭には多くの市民や観光客が集まり久しぶりの花見を楽しんだ。
「バルーンウィッチたみちゃん」のバルーンアートを求める子どもたち(関連画像5枚)
下田ロープウェイ乗り場からもほど近い稲生沢川沿い730メートルには約270本のソメイヨシノが植えられており、市内の桜名所の一つとなっている。特に祭りメイン会場付近は桜の枝が道にかぶさるように出ていることから「桜トンネル」と呼ばれ親しまれている。
同イベントは、30年近く前に東本郷商店会の有志が集まり、地域の人々のために屋台を出して花見をしたのが始まり。10年ほど前に現在の場所に移り、規模を大きくしたという。コロナ禍で中止が続いたが、今年ようやく4年ぶりの開催となった。
桜まつりを主催する東本郷商店会の渡辺芳紀会長は「多くの人々に祭を楽しんでもらえるとうれしい」と笑顔を見せる。
メイン会場内にはお菓子や飲み物、地場の野菜や加工品などの屋台が並び、桜トンネルのキッチンカーでは多くの人が列を作った。ステージでは地元バンドが生演奏を披露し、お酒片手に音楽に耳を傾ける人の姿も見られた。
今年は、コロナ禍で制限されることが多かった子どもたちを楽しませたいと、輪投げやパターゴルフなど、子どものためのコーナーを充実させた。地元在住の「バルーンウィッチたみちゃん」の元には、魔女が次々と生み出すバルーンアートを求める子どもたちが長い列を作った。
会場には下田のゆるキャラ「ぺるりん」も駆けつけた。会場にいた子どもたちは公園に現れたぺるりんに歓声を上げ、抱きついたり、くっついて歩いたりしながら笑顔を見せた。
市内在住の親子連れは「ここ数年は中止が続いて残念に思っていた。今年は開催のチラシを見たので、楽しみにして来た」とうれしそうに話していた。