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下田の「志田酒店」が創業150周年 利き酒やセールで感謝伝える

「志田酒店」外観

「志田酒店」外観

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 酒類卸売業を営む「志田酒店」(下田市一丁目)が12月20日・21日、創業150周年を記念した特別企画「創業150周年記念祭」を開いた。店頭でのセールや利き酒体験を行い、長年店を支えてきた地域住民や観光客でにぎわいを見せた。

「志田酒店」の店舗裏には初代・志田久松さんが建てた蔵も現存する(関連画像15枚)

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 同店の歴史は1874(明治7)年、現店主・志田好恵さんの祖父母が呉服店を開業したことに始まる。その後、米穀店を経て、好恵さんの母・富美枝さんが酒販店へ転換。好恵さんと夫・長美(おさみ)さん夫婦がその事業を受け継いだ。長美さんは1985(昭和60)年に私財を投じて「豆州下田郷土資料館(現・下田開国博物館)」を設立するなど多角的に活動したが、59歳で他界。以降は好恵さんが事業をまとめ、現在は長男の竜哉さんと共に酒店と博物館を運営している。

 同店は下田市内を中心に、西伊豆や熱海まで広く酒類を卸す。取引先は旅館・ホテルや飲食店など多岐にわたり、約10人のスタッフが配達や店頭販売を担う。約20平方メートルの店内には、地酒や希少な焼酎、リキュール類を所狭しと並べ、量り売り用の大きな甕(かめ)も鎮座する。同店オリジナルの日本酒「下田美人」は、土産物としても根強い人気を誇る。

 2日間の記念祭では、日本酒や焼酎の利き酒体験のほか、空くじなしの抽選会を実施。訪れた長年の常連客からは、次々と祝いの言葉が送られた。

 150周年を迎えて好恵さんは「母が女手一つで始めた事業。良い働き手やお客さまに恵まれてここまで来られた。かつて夫と経営について語り合ったことも、今の支えになっている」と感慨深げに話す。

 営業時間は9時~21時。

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