子どもたちが仕事や買い物などを体験できる仮想のまち「レッツゴースマイルゆめタウン」が11月16日、下田市中央公民館(下田市四丁目)で初めて開かれる。
「ゆめタウン」は、子どもたちが主体となって運営する仮想のまちを通じ、社会の仕組みを体験するイベント。子どもだけが住民となり、働いて稼ぎ、買い物やサービスを楽しむ仕組みを通して、主体性や自己効力感を育むことを目的としている。原型となったのは1979(昭和54)年に独ミュンヘンで始まった「ミニ・ミュンヘン」で、日本では1997(平成9)年に高知県香美市で「ミニ香北町」が初開催されて以降、全国に広がっている。
当日は、子どもが運営する飲食店、雑貨店、映画館、ネイルサロンなど約10店舗が出店。市民登録をした子どもたちは、まずハローワークで仕事を探し、働いた後に銀行で通貨「スマイル」を受け取る。その後、稼いだスマイルで買い物やサービスを楽しむことができる。
イベントの運営を担うのは、自ら立候補した小学2年生~中学1年生から成る14人の「こども実行委員」。事務局を務める「河津デイズ」が3月に下田市、南伊豆町、河津町で開いた説明会をきっかけに集まった子どもたちが、4月から毎月「こども会議」を開き、まちのルールや店舗内容から当日の流れまで、意見を出し合いながら準備を進めてきた。
ドーナツ店を経営する予定の小学5年生・山﨑未涼さんは「参加するみんなが楽しめる『ゆめタウン』を作りたい」と意欲を見せる。
河津デイズの植田耕一郎さんは「子どもたちの主体性をテーマにした取り組み。こども会議では、大人スタッフも多くの学びを得てきた。初開催で心配もあるが、子どもたちの力を信じてサポートしたい」と話す。
「この取り組みを通じて、子どもたちが自ら考え、自分の力で何かを生み出す経験をしてほしい」と話す植田さん。「当日はハプニングもあるかもしれないが、その解決も子どもたち自身に考えてもらう方針。保護者や地域の大人たちにも、子どもたちの成長を温かく見守ってもらえたら」と呼びかける。
開催時間は10時~15時。出入り自由。対象は小学生~18歳。保護者が同伴すれば未就学児も入場できる。