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下田開国博物館が40周年 特別展「40人の偉人たち」や記念カードも

開館40周年記念カードを掲げる下田開国博物館の山梨ゆかりさん

開館40周年記念カードを掲げる下田開国博物館の山梨ゆかりさん

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 幕末開港の街・下田の歴史に深く関わる数々の資料を展示する「下田開国博物館」(下田市四丁目)が11月3日、開館40周年を迎えた。

記念特別展「40人の偉人たち」に合わせてリボンを付けた展示(関連画像4枚)

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 同館は1985(昭和60)年11月3日に「豆州(ずしゅう)下田郷土資料館」として開館。酒販店を営んでいた志田長美さんが、「下田の各家庭に眠る歴史的資料がそのまま埋もれてしまうのはもったいない」との思いから一軒一軒訪ね歩いて収集した資料や、1924(大正13)年~1944(昭和19)年に刊行されていた郷土誌「黒船」を主宰した森一さんから継承したコレクションなどを展示する資料館としてスタートした。2003(平成15)年4月に名称を「下田開国博物館」に改称し、ミュージアムショップを「豆州庵」と名付けた。

 近年の大きな変化は2022年1月のリニューアル。トリックアートなどを通じて子どもたちも楽しめる「黒船トロンプ・ルイユ美術館」を隣接地にオープンしたほか、AR(拡張現実)技術を活用して、館内だけのみならず、まち歩きをしながら歴史に触れられるアプリ「下田ストリートミュージアム」をリリースした。

 開館からの累計入館者数は約330万人に上る。観光客のみならず、地元の小中学生が歴史学習の一環として訪れる機会も多いという。最近は公式ユーチュブチャンネル「こみちちゃんの未知草日和」を通じて、下田の観光情報の発信にも力を入れている。

 開館40周年を記念した特別展として、現在、「40人の偉人たち」を開催している。館内展示の中からゆかりのある人物40人を選び、リストを配布。該当展示にはリボンを付け、リストとの対応を分かりやすく示している。

 広報担当の山梨ゆかりさんは「普段なら読み飛ばしてしまうような展示の説明も、リボンを付けて目立たせることで注目してもらえると考えた。リストや展示で興味を持った人物については、さらに深く調べてもらえたらうれしい」と話す。

 リストに掲載された40人は、ペリーや吉田松陰など広く知られる偉人から、今村伝四郎正長や下岡蓮杖といった地元ゆかりの人物、さらに黒船艦隊の従軍カメラマン・ブラウンや日米和親条約の日本側交渉委員だった伊沢美作守(いざわみまさかのかみ)など、歴史愛好家にも興味深い人物まで幅広く取り上げている。

 記念特別展に合わせて限定200枚の「開館40周年記念カード」を配布。2026年10月31日まで入館料が何度でも半額になる特別割引券としても利用できる。

 さらに、開館記念日の11月3日当日には地域への感謝を込め、熱海市・伊東市・伊豆の国市・伊豆市・賀茂郡・下田市の在住者限定で、通常1,200円の入館料を40円に割り引く。

 「ぜひこの機会に地元の方々にも訪れてほしい。『こんな人物が下田や伊豆に関わっていたのか』という新たな発見があるはず」と山梨さんは呼びかける。

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