建設が進む伊豆縦貫自動車道の工事の様子を実際に見て理解してもらおうと10月25日、「伊豆縦貫自動車道・親子現場見学会」が開かれた。下田市と伊豆市が共催し、沼津河川国道事務所をはじめ静岡県東部の14市町が後援した。
防水シートで覆われている建設中のトンネル内部(関連画像20枚)
伊豆縦貫自動車道は、伊豆半島を南北に結ぶ国土交通省整備の高規格道路。沼津~下田間では現在、東駿河湾環状道路、天城北道路、河津下田道路(2期)の河津七滝IC~河津逆川IC区間が完成している。今年4月には2号トンネルが貫通した。今回の見学会では、この2号トンネルと、それに併設する7号橋を見学し、地域住民、とりわけ子どもたちに工事の進行を実感してもらうことを目的とした。
参加したのは賀茂地区の親子連れ10組、計20人。下田市役所河内庁舎に集合し、市職員や国土交通省職員から説明を受けた後、市のマイクロバスで現地へ移動した。
最初に訪れたのは稲梓の須原IC(仮称)。現場ではパワーショベルが山の斜面を削り、別の場所では掘削した土を使って盛り土工事が進められており、道路が造られていく様子を見学した。
続いて、4月に貫通した2号トンネルへ移動。参加者は内部を徒歩で進みながら、壁面に映されたスライドを通じて油圧ブレーカーやドリルジャンボ、バックホウ、ダンプトラックなどの重機について職員の説明を受けた。
最後に7号橋を見学。参加者は記念として橋の床面に絵を描く許可を受け、用意されたチョークやクレヨン、マジックペンで思い思いの絵を描き、名前をサインした。絵を描き終えた子どもたちは国土交通省の制服を試着し、2号トンネルの前で記念撮影に臨んだ。
下田市内から参加した進藤恵美さん・想叶(そうと)さん親子は、「素晴らしい技術と多くの人々の協力の様子が見られて感動した」(恵美さん)、「好きな釣りの絵が描けて楽しかった」(想叶さん)と、それぞれ話していた。
沼津河川国道事務所伊豆縦貫自動車道出張所の小宮山公孝所長は「普段は地元の方にとってなじみの薄い国土交通省の事業に、親しみを持ってもらえれば」と話し、「今回のような見学会をきっかけに、子どもたちにも将来の仕事として関心を持ってもらえたらうれしい」と期待を込める。