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西伊豆・仁科漁港で海中清掃 NPO法人と町が協力し300キロのごみ回収

仁科漁港で「伊豆半島の海ゴミ一掃プロジェクト」

仁科漁港で「伊豆半島の海ゴミ一掃プロジェクト」

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 伊豆半島を拠点に活動する環境保全団体であるNPO法人「MORE(モア)企画」(伊東市)が10月15日、有償ボランティアとしてプロダイバーを募り、潜水禁止区域で海中清掃を行う「伊豆半島の海ゴミ一掃プロジェクト」を仁科漁港(西伊豆町仁科)で実施した。約30人が清掃活動に参加し、約300キロのごみを海中から回収した。

水中清掃の様子(関連画像13枚)

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 同NPOは、伊豆半島の山、川、海の環境を良くしたいという思いから、3人のダイバーで2021年に立ち上げた環境保全団体。海中やビーチ、街なかでのごみ拾いをはじめ、山の不法投棄回収、壁などに描かれた落書き消し、活動を広めるための講演会など、多岐にわたる環境保全活動に取り組んでいる。今年7月にはNPO法人化し、持続可能な活動基盤のさらなる強化に努めている。

 同プロジェクトは、伊豆半島各地にある潜水禁止区域で海中清掃を行うもので、2024年6月に沼津市のマリーナで実施したのを皮切りに、今回で6カ所目の開催。開催場所となった西伊豆町は、釣った魚を地域通貨で買い取るサービス「ツッテ西伊豆」や、漁港の釣り場予約サービス「海釣りGO」を導入するなど、全国に先駆けて海業振興に取り組む地域でもある。今回の実施に当たっては町や伊豆漁協仁科支所も協力し、海釣りGOの売り上げの一部をごみの処分費として活用した。

 水中清掃はダイバーたちと西伊豆消防署の水難救助隊が担い、陸上ボランティアには地域住民や県内外のボランティアスタッフに加え、同消防署員のほか、自衛隊伊東事務所からも応援が駆け付けた。同団体の清掃活動では、自衛隊、消防署、海上保安庁などと連携することも多いという。

 その他、宿の提供や焼き菓子・飲料・食事の差し入れなど、9団体の町内事業者が活動を支援した。現地でコーヒーと焼き菓子を提供した「森のカフェ・リトルハート」(大沢里)の堀内英二さんは「実際に潜ってごみを拾うことはできないが、自分たちのできることで協力することで、仲間として参加できてうれしかった。実際に立ち会うことで、想像以上に重装備をすることや時間がかかること、しっかりと休憩時間を取らないといけないなど、普段目にすることがない場面を見ることができて良い経験になった」振り返る。

 同NPO代表理事の白井ゆみさんは「仁科漁港はとてもきれいな港で『海を大切にしよう』という気持ちが浸透しているように感じた。海の環境を守るだけではなく、生かそうとしている。西伊豆に移住者が増えている理由が、これまで以上に分かった気がする」と話す。

 清掃活動を終え、白井さんは「わざと海に落とされたごみというよりは、台風などで落ちてしまったと思われるごみが中心だった。他団体も定期的に水中清掃をしていたり、海釣りGOで管理している港ということもあり、とてもきれいに保たれている港だった」と参加者に向けて締めくくった。

 翌16日には、土肥港(伊豆市)でも清掃活動を実施した。次回は12月2日に下田港(下田市)で、昨年に続き2回目の清掃活動を予定している。

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