
終戦80年に合わせて戦没者の御霊(みたま)に思いを寄せる演芸祭「みたまなごめ」が10月25日、伊那下神社(松崎町松崎)で開かれる。現在、松崎小の児童たちが当日に境内で展示するための「万燈」作りを進めている。
町の活性化に取り組む住民団体「チームわっしょい松崎」が主催する同イベント。会場となる同神社境内には、戦没者を慰霊するための忠魂碑ではなく、小さな社として設けられた護国神社がある。境内に社殿形式の護国神社を持つ例は全国的にも少ないという。同神社には560有余の御霊が祭られており、当日はその数に合わせた明かりをともす。
当日は、2020東京パラリンピック開会式のメインパフォーマンスに出演した自閉症のダンサー・光陽師想真(こうようし・そうしん)さんが舞を披露する。その他、「チームわっしょい」代表で「お年寄りアイドル」としてボランティア活動を行う森ひできさん、歌舞伎と現代音楽を融合させた舞台表現を行う「ニュー・カブキ」、同町で歌で地域に寄り添う活動に取り組むソプラノ歌手・ソネタエコさんらがパフォーマンスを披露する。
会場にはフレンチレストラン「プロヴァンスドすずき」(松崎町道部)も出店し、先着100人限定で生ビールを300円で提供するほか、飲食メニューを用意する。
境内に展示する万燈の一部は、松崎小学校5・6年生児童が制作する。児童たちが制作に取り組むことになった経緯について、「チームわっしょい松崎」のメンバーでもあるソネさんは「町の人に関わってもらえるようなことをしたいという思いがあった。松崎の人たちが戦争で亡くなった人たちを思い、護国神社が作られたということを子どもたちにも知ってもらう機会になれば」と話す。
万燈制作前には5・6年生児童を対象に平和に関する講話も行い、児童らは「平和・感謝」をテーマに万燈の制作に取り組む。制作中の児童たちからは「戦争で暗くなっている人を明るくしたい」「私にとって笑顔が一番楽しい時だから、亡くなった人にも笑顔が一番楽しいということを伝えたい」などの声が聞かれた。
制作中の児童からの話を聞いたソネさんは「同じ地球の絵を描いている児童でも、話を聞くと、それぞれ少しずつ表現が違っていて、いいなと思った」と話す。「イベントに来た方にも児童らの思いも含めて展示を見てもらえれば」とも。当日は開演前の時間を使い、制作中の児童らのインタビュー映像を上映する。
17時会場、18時30分開演。特別協賛席(1席5,000円)も用意する。