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「下田こどもとしょかん」11館目開設 ナンズビレッジに初の専用拠点

ナンズビレッジとしょかん内観

ナンズビレッジとしょかん内観

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 市民有志による子ども向け私設図書館「下田こどもとしょかん」の11館目となる「ナンズビレッジとしょかん」(下田市一丁目)が開設され、9月6日、オープニングイベントが行われた。

読み聞かせをする野中さん(関連画像13枚)

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 「下田こどもとしょかん」は、元教員の渡辺久志さんが中心となって2023年6月に始まった取り組み。市立図書館の蔵書を市内各所で読むことができる「下田まちじゅう図書館」が同年4月にスタートしたが、設置場所がカフェや宿泊施設のため子どもには利用が難しいことから、アメリカの「リトルフリーライブラリー」に着想を得て、子どもが気軽に本を読み借りできる場所を作ろうと有志で始めた。当初3館でスタートしたが、支援の輪が広がり今回で11館目となった。

 これまでの施設は個人宅や公共施設、集会所の一角を借りる形だったが、今回の「ナンズビレッジとしょかん」は一般財団法人「レオーネ」協力の下、初の専用拠点として整備した。屋内には本棚やソファを設置し、エアコンも1時間100円で使える。

 オープニングイベントでは、下田在住の絵本作家・鈴木まもるさんが鳥と恐竜をテーマに講演し、ワークショップやサイン会も行った。さらに、ダンス教室「T.C.Dance Company」、カポエラ教室「カポエイラ・アミーゴ」、フラダンス教室「Halau O Ehukai(ハラウ・オ・エフカイ)」など、下田を拠点とする教室の生徒たちが日頃の練習の成果を発表し、イベントを盛り上げた。

 絵本の読み聞かせでは、子どもスタッフの野中結心(ゆこ)さんが「へいわってすてきだね」を朗読。このほか、日本語と英語で「ねこのピート」、日本語と中国語で「ならんだならんだ」の朗読や、手袋を使った人形劇「ヤドカリの海の家」の上演も行われた。午後にはスタッフによる科学実験も行われ、子どもたちは「1円玉を水に浮かべる」などの実験にも挑戦した。

 屋外には「氷屋わたろう」や「駄菓子屋まーきぃ」の屋台が出店し、かき氷や駄菓子を求める親子連れでにぎわった。ナンズビレッジ内の居酒屋「楽海 RAU」も特別にランチ営業を行った。

 来場した母親は「近くに気軽に本を借りられる場所ができてうれしい。子どもにはたくさん本を読んでもらいたい」と喜び、増田興世(おきよ)館長は「この場所が、子どもたちの居場所になってくれるとうれしい。大人も子どもも、周りにいつでも本がある環境を広げたい」と話す。

 開館時間は土曜・日曜・祝日の10時~17時。それ以外の時間帯の利用や、他の用途でのスペース利用についても、事前に連絡をもらえれば可能な限り応じるという。利用無料。屋外に設置された箱に入っている絵本は、開館時間以外でも自由に借りることができる。

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