
伊豆の山から切り出した築城石を江戸へと運んだ歴史を今に伝える「石曳(び)き道灌(どうかん)まつり」が9月28日、東伊豆町奈良本の熱川海岸通りで開かれる。大石を大勢で引く「御石曳(おいしびき)」を再現し、当時の光景を体感できる催しとなる。
目玉は、総重量約12トンの石を当日応募した約250人で引く御石曳。侍大将のかけ声に合わせて「曳き手」たちが綱を握り、最初はびくともしない石も、力を合わせるうちに少しずつ動き出す。摩擦で煙を上げながら進む石に歓声が上がり、約50メートル先のゴールに到達すると、参加者たちは互いの健闘をたたえ合う。昨年は21分5秒で引き切り、最速記録を更新した。
会場周辺には夜店が十数店並び、熱川バナナワニ園の「熱川ばにお」や熱川温泉のマスコット「どうかん先生」らも登場。今年は地元の子どもダンスチーム「Maj」が初出演し、太田道灌が狩りの時に打ち鳴らしたといわれる「熱川道灌太鼓」や、地元有志バンド「ぎんでぇず」の演奏と共に祭りを盛り上げる。石曳きの後には恒例の花火が約20分間打ち上げられ、夜空を彩る。
主催する東伊豆町観光協会の北嶋泰成さんは「石曳きに参加してくれた方にはオリジナル法被やタオル、夜店で使える買い物券を用意している。観光客も地元の人もぜひ参加してほしい」と呼びかける。
夜店の営業と石曳き参加受け付けは18時30分から。御石曳は20時5分に開始予定。