
子どもや子育て世代向けの防災意識啓発に取り組む「下田防災クラブIMAGINE(イマジン)」が8月21日、子ども向けイベント「夏休み竹ランタンづくり」を下田市立中央公民館(下田市四丁目)で開いた。下田で竹明かりイベントを開いている「竹たのしみまくる下田実行委員会」が共催した。
同クラブの代表を務める渡辺恵さんは15年ほど前から、両親の生まれ故郷の下田で暮らしている。日頃は訪問販売員として働いているが、2024年1月の能登半島地震をきっかけに防災に強い関心を持ち、講座受講などを重ね、「静岡県ふじのくに防災士」としての認定を受けた。「地形や人口分布が近い能登半島の状況を見て、大きな地震が起これば下田も同じ状況になると恐ろしくなった。男性が運営する避難所で生理用品がうまく行き届かなかったという話も聞き、防災に女性目線で関わることは大切だと感じた」と振り返る。
今年1月に同団体を発足し、現在は4人のメンバーで子育て世代や子どもたちに向けた講話や、楽しみながら防災について考えることができるイベントの開催などに取り組んでいる。
今回のイベントには小学4~6年生12人が参加。2グループに分かれ、入れ替え制で竹ランタン作りと防災実験の2つに取り組んだ。
竹ランタン作りでは、同実行委員会メンバー指導の下、電動ドリルを使って思い思いの模様に沿った穴を竹に空けた。参加者からは「ドリルが重くて大変だったが自分の思ったものができて満足」などの声が聞かれた。中にLEDを入れて完成した竹ランタンはそれぞれ自宅に持ち帰った。「竹明かりは心を癒やす効果がある。家の気に入った場所に飾って楽しみ、万一の場合には非常用の明かりとしても使ってもらえたら」と渡辺さんは期待を込める。
「防災のふしぎ大実験会」と題した防災実験では、非常用トイレの凝固実験や、さまざまな飲み物を入れたペットボトルを明かりに載せて行う発光実験などに取り組んだ。参加者からは「食べ物も大切だが、それと同じくらいトイレも重要だと分かった」という声が聞かれた。渡辺さんは「ペットボトルのふたを利用して光に色をつけるなど、子どもたちの想像力に驚かされた」と感想を語った。
イベントを終えて渡辺さんは「これからも楽しみながら防災に触れられる機会を作っていきたい」と意欲を見せる。