
2年がかりで改修された海の近くの古民家を生かした海の家「ぼろんじ」(南伊豆町子浦)が7月24日にオープンした。地域と縁のあるクリエーターと飲食店主たちが、夏の終わりまで、そばとナポリビザを提供する。
店内のテーブルや椅子、かやぶきの材料は少しづつ集めていったもの(関連画像9枚)
同店の物件は、すぐ近くにある「子浦五十鈴川美術館」オーナー・矢谷千景さんが所有する建物を、子浦在住の大工でかやぶき職人でもある吉澤裕紀さんがデザインと改修を手がけたもの。特に用途を決めずにスタートした改修は約2年間に及び、その過程でさまざまな人との縁が生まれたという。
その中で出会ったのが、子浦と東京を行き来する「soba&curryモリソバ」店主の森幸恵さんと、東京・新宿の「PIZZAフォルニーノ」の大庭まゆみさんなどの料理人たち。両者は「この空間で海の家をやってみよう」と意気投合し、今回のオープンに至った。
店名の「ぼろんじ(梵論字)」は、矢谷さんが以前から「いつか何かに使いたい」と温めていた言葉。鎌倉~室町時代の半僧半俗の物乞いを指す言葉で、「言葉の響きが気に入っていた」という。
吉澤さんが手がけた内装は、天井や壁だけでなく家具にも及び、木や土や石など自然素材を多く取り入れ、手仕事の温かみを感じることができるように仕上げた。「2年という時間をかけたことで、本当に納得できる素材を少しずつ集めることができた」と話す吉澤さん。矢谷さんは「吉澤さんが作る空間は、料理に匹敵するほどの『ごちそう』」と表現する。
同店では、日中は「soba&curryモリソバ」による「そばつゆを使ったカレーライス」(600円)や、「PIZZAフォルニーノ」による「ナポリピッツア」(800円~)などを提供。夜は完全予約制で「soba&curryモリソバ」による「打ちたて蕎麦(そば)セット」(1,500円)を提供する。
期間中の営業時間は、Soba&Curryモリソバ=10時~13時、17時~20時(毎日営業)、PIZZAフォルニーノ=10時~16時(不定休で次回営業は8月8日)。営業は「夏の終わりまで」。