
熱川プリンスホテル(東伊豆町奈良本)が、伊豆地域でのスタートアップ支援や事業者間の連携促進の一環として、ラウンジとキッチンを事業者に無料で貸し出す取り組みを行う。第1弾として7月19日・20日、下田を拠点に活動する「アノヒノコーヒー」が出店する。
7月19日・20日に出店する「アノヒノコーヒー」店主の石井麻希さん(関連画像6枚)
伊豆半島東海岸に位置し、海や温泉街を望む眺望や、熱川温泉の豊富な湯量を生かした12の湯舟と天空露天風呂が人気を集めている同ホテル。近年は、宿泊客だけでなく地元住民も参加できるカルチャーサロン「mizi-cul(ミヂカル)」などの取り組みも行っている。
今回の取り組みでは、カフェメニューの提供・販売を希望する事業者に中2階のオープンラウンジ「寧舎(NEISHA)」を無料で貸し出す。スタートアップ支援戦略を掲げる静岡県の方針にも呼応したもので、常設店舗を持たず、イベント出店やレンタルスペース、間借り営業などで活動している飲食事業者を対象としている。宿泊客やホテル訪問客に向けた販売の場としての活用を想定している。
カウンターテーブル、冷蔵庫、シンク、製氷機、ガスコンロなどの設備も使用可能。ホテルに空室がある場合には、出店者向けに無料または低価格で宿泊提供も行う。
第1弾で出店するのは、自家焙煎(ばいせん)コーヒー豆のオンライン販売やイベント出店を行う「アノヒノコーヒー」。8月初旬には、静岡県東部を中心にキッチンカーで営業する「至福のフレンチトースト」の出店も予定する。
企画の伴走支援を行うステラナ企画の片岡和泉さんは「宿泊客にとっては新たな体験となり、出店者には事業を広げる機会になる。地域や他企業との交流の拠点にもなれば」と期待を込める。「まだ出店希望者を募集しているので、ぜひ活用してほしい」とも。出店希望者は専用フォームで受け付け、審査を経て決定する。