
「石廊崎(いろうざき)オーシャンパーク」(南伊豆町石廊崎)で6月14日、インド発祥のバターオイル「ギー」を作るワークショップが開かれた。同施設で6月~7月の週末を中心に、地元の職人や作家たちが開くワークショップやポップアップショップの第1弾。
「石廊崎オーシャンパーク」イベントスケジュール(関連画像6枚)
伊豆半島最南端に位置する同施設には、高さのある断崖絶壁と、それを囲む美しい海の景観、「石室神社」や日本の灯台50選に選ばれている「石廊埼灯台」など、多くの観光スポットを擁する。敷地内には、大型の無料駐車場や海を望む休憩棟、地元の特産品が並ぶ売店もあり、年間10万人以上が訪れるという。
昨年度からは南伊豆町観光協会が指定管理者となり、「より多くの人に石廊崎オーシャンパークを訪れるきっかけをつくりたい」との思いから、イベント出店者の公募を積極的に行っている。今回は6月14日~7月26日の週末を中心に、南伊豆町のさまざまな事業者や作家たちが、5つのワークショップと4つのポップアップショップを展開する。
6月14日の第1弾イベントでは、同施設に勤務する地域おこし協力隊・小林真菜さんによる「ギー作りワークショップ」を開いた。参加者は、インド発祥の伝統的な食材「ギー」について学びながら、実際に調理・試食を体験し、その奥深い魅力に触れた。
ギーは、無塩バターを加熱して水分やタンパク質を取り除いた「精製バター」の一種。アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)では「最も純粋な油」とされ、さまざまな健康効果があるとされている。最近では健康志向の高まりとともに、日本国内でも注目を集めている。
当日は、バターを使ってギーを手作りする実演も行われ、参加者たちは黄金色に輝くギーの香りと味わいを楽しみながら、その製法や活用法について熱心に耳を傾けていた。
講師を務めた小林さんは「ワークショップでは単に作り方を伝えるだけでなく、アーユルヴェーダの視点から体質や心の状態にも触れながら、自分を深く見つめる時間を大切にしている。南伊豆町のように高齢化が進む地域では、未病の段階で心身のケアをすることが何より重要。アーユルヴェーダを通じて、誰もが自分の体と心に気づき、自分自身のお医者さんになれるようにという思いを込めて活動している」と話す。
当日参加した堤知子さんは「ギーを知るところから始まって、作り方や自分に合った使い方まで丁寧に教えてもらえた。分からないことも気軽に聞ける雰囲気で、とても楽しい時間だった」と振り返る。
今後は、木工作家・ヤマネミカさんによる板皿作りや、「アイランドハーブ」によるオリジナルアロマスプレー作りなどのワークショップのほか、アパレルブランド「IZUBLUE」や流木を使ったインテリアアート「龍木 Ryuboku」などのポップアップショップも出店予定。詳細は公式インスタグラムで知らせる。