
下田で恒例の「第54回伊豆下田温泉あじさい祭」が今年も開幕した。6月1日には会場となる下田公園(下田市三丁目)でオープニングセレモニーが行われ、下田太鼓の演奏に足を止める来場者の姿も多く見られた。
あじさい祭会場から見たあじさいと下田の街並み(関連画像15枚)
およそ300万輪のアジサイが咲き誇る日本一の群生地として知られる下田公園を会場とする同祭。小高い山に広がる公園では、山の麓から頂上にかけて段階的にアジサイが見頃を迎える。山頂付近では、背丈ほどに伸びたアジサイの間を潜り抜けると、園内随一の見どころとなる群生地が眼下に広がる。開幕時点での開花状況は三分咲き程度。
中腹にある開国広場の「あじさい茶屋」では、名物のキンメコロッケをのせた「キンコロそば・うどん」(700円)や、「手絞り甘夏ジュース」「あじさいソーダ」(以上500円)を販売。南伊豆町のコーヒー焙煎(ばいせん)所「moksa coffee(モクサコーヒー)」や、アジサイの鉢を扱う地元事業者も出店している。山頂付近では、例年通り「あじさいテラスカフェ」も営業しており、初日から多くの観光客でにぎわった。
今年は初の試みとして、会場に咲く約170種に及ぶアジサイの品種やアジサイに関するQ&Aを紹介するウェブサイト「下田あじさい図鑑」を公開。下田市地域おこし協力隊の鈴木和隆さんと高橋真希さんが昨年から撮影・記録してきたアジサイの写真を基に、長年アジサイ鉢の販売を手がけてきた「なかえもん」の佐々木佳総さんが品種特定を監修。ウェブサイトの制作は、市内でウェブデザインやプログラミング教室を運営する山本至誠さんが担当した。
このほか、写真映えを意識したフォトフレームやピンクのドアも設置し、フォトスポットの充実も図った。アジサイが見頃を迎えると見込まれる会期中盤(6月13日~22日)の10日間には、下田公園近くの了仙寺(三丁目)山門付近で竹明かりによるライトアップも行い、夜間も祭を楽しめるようにする。
実行委員会委員長で「高瀬ふとん店」店主の高瀬雄司さんは「今年は隣町の河津町や南伊豆町で河津桜の開花が遅れ、河津桜まつりの会期も延長されたほどだったため、アジサイの開花も心配していた。関係者の協力もあり、来場者に楽しんでもらえるよう準備を進めてきたので、ぜひ多くの人に群生日本一を誇る下田のアジサイを楽しんでほしい」と呼びかける。
同祭は6月30日まで。臨時有料駐車場あり(1回600円、70台収容)。