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小田原食材の夕べ 下田から小田原に移転した「チトセヤ」が一夜限りの復活

小田原食材の夕べが下田で開催された

小田原食材の夕べが下田で開催された

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 小田原のさまざまな食材を使った料理を楽しむイベント「Come Back CHITOSEYA 小田原食材ワンプレートディナー」が4月14日、下田市旧町内のコミュニティースペース羽衣(下田市二丁目)で開かれた。

趣向を凝らした食材が色鮮やかに盛られた(関連画像10枚)

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 料理を手がけたのは、2011(平成23)年から8年間、下田でカフェを営業し、現在は小田原市早川の古民家を改修した住居兼店舗で飲食店「SALLE A MANGER CHITOSEYA(サラマンジェチトセヤ)」を営む中村直樹さん・由美子さん夫婦。河津町出身で下田とも縁が深い中村さんは「小田原と下田を結びつけたいという思いがあった」と開催のきっかけを話す。

 下田時代から引き継ぐ「チトセヤ」の店名は、中村さんの実家である河津の民宿「千歳屋」にちなんだもの。こだわりの料理を手がける一方、アンティーク家具や雑貨にも造詣が深い中村さんは古物商の資格も持ち、由美子さんと全国を旅しながら、「古くて美しいものやおいしい食材」を探求し、独自のセンスで店づくりを行っている。

 当日振る舞われたメニューは、「鈴廣」のかまぼこや「土岩商店」のさつま揚げとはんぺん、「平塚ちえん農園」のビーツ、下中タマネギ、練り梅、鹿肉のソーセージなど、小田原産の食材ばかり。これらをベースに、中村さんが独自のアレンジを加えた。オイルサーディンは、小田原漁港で水揚げされたイワシを使ったチトセヤ特製で、中村さんの店の庭先に実ったハッサクも多用した。

 デザートにも小田原の老舗商店のみそや桜あんを使うなどして、参加者は色鮮やかな料理に舌鼓を打った。ドリンクには、温州ミカンと伊豆産かんきつ類・黄金柑(おうごんかん)をかけ合わせた「湘南ゴールド」を搾って使用。クラフトビールや日本酒も小田原産で、参加者からは「おいしい」「初めて食べた。珍しい」などの声が聞かれた。

 チトセヤが下田で一夜限りのカムバックを果たすと聞き、下田や南伊豆、東伊豆からも多数のファンが詰めかけた。白浜で音楽喫茶「カフェ・ラルゴ」を営む進士薫輝さんは「小田原はかまぼこや梅製品以外にもアジや外郎(ういろう)などの発祥地でもある。古来から文化を発信し続ける小田原の地で、伊豆の文化も広めながら、これからも頑張ってほしい」とエールを送る。

 会場として場所を提供した羽衣の店主、佐藤潤さんは「食や文化を通じて人々が交流する場をつくるのが夢だった。美しい時間の積み重ねが、幸せな町をつくると信じている」と話す。

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