市場見学や調理体験を通じて下田の海や魚について学ぶ小学生向けイベント「しずおかキッズアカデミー」が12月7日、伊豆漁協協同組合(下田市外ケ岡)で開かれた。
静岡銀行が主催した同イベント。開催の経緯について、同行の大箸武史下田支店長は「下田の主幹産業である漁業や農業など、一次産業を格好良く取り上げたかった」と話す。
当日は地元の小学4~6年生とその保護者15組30人が参加した。早朝7時15分からは、同組合の津曲真生さんの案内で市場の水揚げや競りの様子を見学し、漁師の仕事や下田の漁業について学んだ。
その後、元焼津市地域おこし協力隊で「静岡のうみPR大使」の三浦愛さんを講師に迎え、下田で水揚げされたキンメダイを使ったみそ汁作りに挑戦した。下田高校生活科学部の生徒たちもサポート役として参加し、子どもたちは高校生に教わりながら包丁を使って魚をさばく工程を体験した。
さらに、低利用魚であるブダイやタカノハダイなどを使った「魚拓作り」も行った。魚拓に使った魚は、11月に始まった「地域で感謝とつながりを循環させる」ポイント制度「IZU POINT(イズポイント)」の仕組みを通じて、希望者に配布された。
会の終わりに参加者たちは、市場のすぐ近くにある食堂「金目亭」で、自分たちで作ったみそ汁と共に昼食を楽しんだ。
参加した児童たちからは「普段は肉が好きだが、もっと魚を食べたいと思った」「競りも魚拓も初めて体験したが、魚拓作りは特に楽しかった」などの感想が聞かれた。保護者からは「スーパーでも魚は高く敬遠しがちだったが、流通過程にこれだけ多くの人が携わっていると知り、今後はもっと積極的に食卓に取り入れたいと思った」という声も聞かれた。