
下田の稲生沢こども園(下田市立野)が運営する子育て支援事業「ぽかぽか」が開始から1周年を迎え、4月30日、系列園のひかり保育園(同市西中)で記念パーティーが開かれた。
参加者が作った子どもたちの顔を模したクッキー(関連画像8枚)
「ぽかぽか」は未就園児や妊婦を対象とした地域密着型の支援事業で、2024年4月にスタート。以来、月に数回、ストレッチ教室やパイプオルガンのコンサート、映画会、助産師による育児相談会など、多彩なプログラムを実施してきた。月1回開いている誕生日会では、園児との交流の場も設けている。
同園がこの事業を始めた背景には、子育て中の母親が直面する「孤立」の問題がある。保育士の阪本牧子さんは「幼い子どもを育てる母親の中には、育児の悩みを誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまう人が少なくない」と話す。「ここでおいしいお茶とお菓子を囲みながら気軽に人と話すことで、心の負担が少しでも軽くなれば」と思いを込める。
記念パーティーには19組40人の親子が参加。参加者はココア、プレーン、抹茶の3色の生地を使い、子どもの顔を模したクッキー作りに挑戦した。子どもたちも、目や口をつける作業を手伝ったり、自由な形を作ったりと、夢中で創作に励む親子の姿が見られた。
クッキーが焼き上がるまでの間には、同園の給食調理員によるサプライズケーキも登場。ブルーベリーやイチゴ、園庭で育てたスペアミントがホイップクリームに添えられた40人分のロングロールケーキに歓声が上がった。
食後には焼き上がったクッキーが配られ、参加者した親たちは子どもの顔をかたどったクッキーを包み、大切そうに持ち帰った。
参加した母親の一人は「とても楽しいパーティーだった。1年間『ぽかぽか』のイベントに参加し、子どもと一緒に私も楽しめた」と感想を述べた。阪本さんは「これからもお母さんたちの声を聞きながら、親子で楽しめるイベントを企画していきたい」と話す。