
松崎新港(松崎町江奈)の防波堤で5月末から、スマホアプリを利用した釣り場予約トライアルが行われる。それに先立ち4月24日、堤防からの落水者発生を想定した救助訓練が行われた。
2010(平成22)年に供用を始めた松崎新港は、特に防波堤付近が豊かな漁場として知られている。14年前に一度だけ釣りイベントを開催したこともあったが、無断侵入するマナーの悪い釣り客の増加などを受けて、堤防は長らく完全立入禁止となっていた。
今回、西伊豆町などで実績のある釣り場予約サービス『UMIGO(旧「海釣りGO」)』を活用して、堤防先端部を開放することを検討している。西伊豆町では漁協が主体だが、松崎町では町内の観光事業者らが主体となり、釣りを軸にした観光振興を目指す。
松崎新港での釣り場予約の初回トライアルは5月31日・6月1日に行う。既にアプリでの釣り場の予約(2,500円、利用時間=5時30分~11時30分)が可能。釣り場の予約に加えて、町の特産品である桜葉を使った「桜葉と鯛(たい)の炊き込みむすび」などを釣り場まで配達する「極旨(うま)堤防飯」(1,500円)や、釣りを楽しんだ後の宿泊に加えて釣った魚を夕食時に調理してもらえる「極楽釣りステイ」(1人1万9,500円)のオプションも、アプリから申し込むことができる。
トライアルに先立ち行われた救助訓練では、UMIGOを提供する「ウミゴー」の國村大喜社長自らが被験者となり、関係者が水難救助用の浮き輪を投入するなどして落水者の救助を行った。
松崎町観光協会で事務局長を務める依田貴文さんは「これまで立入禁止だった防波堤を開放することで、観光PRにつなげていきたい。釣り人の利便性を高めつつ、釣りだけでなく食事やきれいな景色など町内観光も楽しんでほしい」と呼びかける。
初回トライアルの結果を踏まえて、7月5日・6日にも2回目のトライアルを予定している。