
下田市街と寝姿山をつなぐ「下田ロープウェイ」(下田市東本郷)は3月30日、寝姿山山頂にドッグスペース「わんView(ビュー)広場」を開設した。スペース内のドッグランでは、小型のペットがリードを付けずに過ごすことができる。
これまでもケージやカートに入ったペットは山頂まで上がることができたが、自由に散策することはできなかった。今回の整備を機に、リードを付ければ広場内に限りペットの散策が可能となった。リードなしで利用できるドッグラン内には、ロープウエーのゴンドラを模した映えスポットを設置しており、訪問客によるSNSなどでの発信にも期待を寄せる。
「せっかく景色の良い公園に来たのだから、ペットも外に出してあげたい」という利用客の要望に応え、コロナ禍中に閉鎖していた「恋人の丘広場」を半年かけて整備した。うっそうと茂っていた木々を切り開き、独自にフェンスを設けた。十国峠の「天空のドッグラン」をはじめ、伊豆高原エリアのさまざまなドッグスペースを参考にしてレイアウトしたという。
ドッグランは約70平方メートル。ウッドデッキも整備し、下田湾や伊豆諸島を一望できるリクライニングチェアも設置した。「わんビュー」の「わん」は犬を指すと同時に下田湾の「湾」も意味する。「ビュー」の「び」の字をデフォルメしたロゴマークは広場からの眺望を象徴しており、濁点2つは下田湾に浮かぶ毘沙子島と犬走島を表現している。
ドッグスペースの開設に合わせ、山頂入り口のカフェレストラン「ザ・ロイヤルハウス」では、ドリンクのテイクアウトも可能とした。同社の比企恒裕社長は「ウッドデッキや遊歩道を散策しながら、ドリンクを楽しんでもらえれば」と話す。
比企社長はかつて、伊豆急行が運営する宿泊施設でドッグコテージの整備に携わった経験があり、それが今回の企画の下地となっている。「常に新しい仕掛けをしていきたい。地域ぐるみでペットビジネスに取り組む伊豆高原エリアとも連携し、地元でもペットのホスピタリティーに積極的な宿泊施設や観光施設と協力しながら、伊豆全体を盛り上げていければ」と意欲を見せる。
ドッグスペースは毎朝9時から、ロープウエーの営業時間内にオープンする。飼い主のマナーに信頼を置き、持ち物の管理などは利用客自身に任せる方針。