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昨秋に全焼した下田の老舗バー「ハーバーライト」 駅近の新店舗で営業再開

カウンターに立つ「ハーバーライト」店主・鈴木勝士さん

カウンターに立つ「ハーバーライト」店主・鈴木勝士さん

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 昨年9月にもらい火で全焼してしまった下田の老舗バー「ハーバーライト」(下田市一丁目)が3月5日、伊豆急下田駅すぐ近くの新店舗で約半年ぶりに営業を再開した。これまでのメニューに加え、再起のために実施したクラウドファンディングを通じて誕生したオリジナルカクテルも、期間限定で提供する。

新店舗が入る駅前のビル(関連画像8枚)

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 創業70年超の歴史を持つ同店。店主の鈴木勝士さんは3代目で、13年ほど前に縁のあった2代目店主から店を受け継いだ。妻の由紀さんと共に店を切り盛りし、地域のフルーツやスパイスを使ったオリジナルカクテルや落ち着いた雰囲気の店内が好評だったが、昨年9月3日、店舗裏住人の火の不始末に伴う火災に見舞われた。ちょうど定休日で鈴木さん夫婦は自宅にいて無事だったが、建物だけでなく、ほとんど全ての商売道具も失ってしまった。

 2~3日は落ち込んだものの、SNSなどを通じて次々と届く見舞いや応援のメッセージに背中を押され、9月22日に新店オープンを目指してクラウドファンディングをスタート。当初の目標だった300万円をわずか2日で達成し、最終的には334人から約550万円の支援が集まった。

 「新店の場所を探し始めて、すぐにインスピレーションで決めた」という新たな店の中は、大きな窓から伊豆急下田駅や寝姿山など、下田らしい風景を眺めることができる。飲食店用の物件ではなかったため改装には苦労したが、土木業に携わっていた頃の仲間と共に床や天井を剥がしたり、水回りを整えたり、約4カ月間かけて準備を進めてきた。

 火事で唯一残った看板とライトは入り口に設置。「伸ばせるところまで伸ばしたい」と要望して設置した8席のカウンターや、所属する下田太鼓の仲間から安く譲ってもらったというテーブルなどを使い、旧店舗とほぼ変わらない席配置とした。メニューも旧店舗から引き継ぎ、地物を積極的に使ったフレッシュフルーツのカクテルを中心に、ビール(800円)やジントニック(1,000円)などをそろえる。

 「応援してくれた人たちが作ってくれた店。自分はそこに立たせてもらっている」と鈴木さんは話す。

 3月5日にレセプションパーティーを開き、クラウドファンディング返礼品のオリジナルカクテルも披露。支援者一人一人をイメージして鈴木さんが考案し、カクテル名も支援者の名前や趣味、職業などをイメージして付けた。2026年3月5日までの期間限定でメニューにも並べる。

 新店舗オープンについて、鈴木さんは「クラウドファンデイングを通じて、改めてハーバーライトは下田で必要とされている店だとを感じた」と振り返り、「常連客はもちろん、移住して間もない人や、クラウドファンディングを通じてハーバーライトを知ったという人にも、ぜひ訪れてほしい」と呼びかける。

 営業時間は19時~24時。日曜定休。駐車場なし。

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