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下田で災害時のためのドローン試験飛行 孤立予想集落への飛行ルート確立へ

ドローンを操作する消防団員

ドローンを操作する消防団員

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 ドローンによる過疎対策に取り組む下田市は2月3日、災害状況確認や緊急物資輸送のための飛行ルート確立に向け、災害時における監視用ドローンの試験飛行を下田市役所河内庁舎で実施した。

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 大規模災害発生時に道路の寸断や河川の氾濫などで孤立した地域の住民を支援するため、下田市ではドローンの導入を積極的に進めている。

 今回の試験飛行は、KDDIスマートドローン(東京都千代田区)の支援を受けて行ったもの。同社はKDDIから派生したベンチャー企業で、ドローン専門の事業を展開。これまでに全国49地域で実証実験を実施し、震災後の能登半島でも活躍したという。

 同社はKDDIのモバイル通信網を利用することで飛行エリアを拡大。「KDDIの電波が届く限り、どこまでも飛行可能」としている。さらに、モバイル通信による飛行制御と映像伝送により、目視できない遠隔地でも飛行が可能となる。

 下田市は昨年度から災害用監視ドローンの導入を検討しており、孤立が予想される集落への飛行経路構築やドローン操縦士の育成に取り組んできた。現在、市消防団員7人が目視外飛行の操縦資格を取得している。

 市内には災害時に孤立する恐れのある集落が8カ所ある。今回はそのうち、北部山間地域の上大沢地区まで約3キロの距離をドローンが飛行した。会場の大型モニターにはドローンが撮影する映像がリアルタイムで映し出され、道路状況などを鮮明に確認することができた。

 市はすでに海水浴場の安全監視用ドローン2機を保有しているが、今後は災害対応用のドローンも購入予定。災害発生時には被災地の状況確認や、医薬品、衛星携帯電話などの緊急物資輸送に活用する方針としている。

 高野茂章副市長は「孤立が予想される集落には空からの支援が不可欠。被災時に迅速な情報収集を行うため、ドローンの活用体制を整備し、災害対策を強化していきたい」と話す。

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