静岡県内で環境問題に取り組む団体「プロギング静岡」が1月22日、スポーツ感覚で楽しめるごみ拾い「プロギング」を下田市内で初めて開催した。
プロギングとは「プロックアップ(拾う)」と「ジョギング(走る)」を組み合わせた造語で、ごみ拾いをしながらジョギングするスウェーデン発の環境問題解決型スポーツ。楽しくごみを拾うことで町をきれいにし、その姿を人々に見せることで「ごみを捨てる行為への抑止力になる」という。
同団体は2021年8月、「プロギング遠州」の団体名で磐田市・掛川市・袋井市で活動を開始。その後、静岡市・川根本町が加わり活動地域が広がったため「プロギング静岡」に改称。2022年には浜松市・焼津市・菊川市・御前崎市でも開催し、今回の下田市が10番目の開催地となる。
プロギング静岡代表の戸塚貴英さんと、下田のすし店「美松寿司(すし)」(下田市二丁目)4代目の植松隆二さんが友人同士だったこともあり、植松さんからの呼びかけで下田での開催が決まった。
この日の参加者は子どもを含めて14人。14時に美松寿司前に集合し、戸塚さんから説明を受けた後、オリジナルデザインの軍手を受け取って、ごみを入れる袋を携えて出発した。
前半は美松寿司からペリーロードを抜け、下田港沿いの大川端から稲生沢川沿岸を北上して伊豆急下田駅を回った。子どもと保護者は、そこで町なかへ戻り、大人はさらに線路沿いを北上してプロギングを続けた。帰りは下田のメインストリートであるマイマイ通りを歩き、大きめのごみを手にしながら町の人々にも活動の様子をアピールした。
ゴールの美松寿司ではあら汁が振る舞われ、参加者たちは冷えた体を温めた。参加した移住歴20年の男性は「なかなか歩き応えがあった。参加者同士がコミュニケーションすることができて楽しかった」と話した。この日回収したごみの総量は6.3キロだった。
「今後は月1回のペースで開いていきたい」と植松さん。次回開催は2月4日10時から、美松寿司を出発予定。「動きやすい服装と水分を準備して参加してほしい」と呼びかける。