ITを活用して場所を選ばずに働くデジタルノマドたちが下田に約1カ月間滞在する「TADAIMA SHIMODA」が11月3日から、行われる。
下田市では2019年ごろからワーケーション客の誘致に積極的に取り組んでいる。今回のプログラムは、そのワーケーション基盤を生かして、特に海外で急速に増加しているデジタルノマドたちを下田に呼び込むことで、グローバル関係人口の拡大を目指すもの。
プログラムの企画運営は、2020年に下田で創業したPR会社「ELENTO」(下田市西本郷)が担う。同社代表の塚田絵玲奈さんは、ワーケーションを通じて下田との縁を深めた移住者の一人で、年の半分ほどを海外で過ごすデジタルノマド実践者でもある。
「開国のまちの歴史があるおかげか、下田は移住者や観光客にも温かく接してくれる人が多い」と話す塚田さん。「人口約2万人の下田にもデジタルノマドたちが集まることを示し、日本全体を元気にするモデルの1つにしたい。まずはTADAIMA SHIMODAを通じてデジタルノマドたちに下田で友達を作ってもらい、下田が世界中からデジタルノマドが集まる街となる一歩にしたい」と狙いを話す。
現時点で海外から13人、日本を拠点とする人も含めると30人以上の外国人が期間中の全部または一部、下田に滞在するという。
期間中は、初日(11月3日)のウエルカムパーティーや合気道や空手の練習参加、下田芸者とのお座敷体験など、デジタルノマド自身の楽しみや学びにつながるイベントのほか、海外ノマドと観光事業者とのディスカッション、海外ノマドたちの地元中学校訪問など、地域住民とのさまざまな交流機会も設ける。
その中でも規模の大きなイベントが、11月16日10時から「WITH A TREE」(西本郷)で開く「世界文化祭2024」。デジタルノマドも運営に関わりながら、トークセッションや世界ローカル飯体験、すしや茶道などの日本文化体験、DJパーティーなどを行う。
それに先立ち「風まち下田」(武ガ浜)で10月18日、地元事業者たちを対象とした事業説明会も開き、「この場でスマホに翻訳アプリを入れてほしい。英語が苦手でも、翻訳アプリがあれば大丈夫」「期間中に1人でいいので海外ノマドとSNSで友達になってほしい。1人とのつながりが再訪のきっかけとなり、それが自身の事業や街に大きな経済効果をもたらす」などの呼びかけを行った。