伊豆急下田駅から車で約10分の場所にあり、夏には多くの海水浴客でにぎわう白浜大浜海岸で1月21日、ドローンを使った海水浴場安全監視の実証実験が行われた。
同実験は、過疎地域に専門人材を派遣して地域の課題を解決することを目的とする静岡県「過疎地域等政策支援員」制度を活用して行われたもので、ドローンを使った海水浴場の監視は県内初の事例となる。当日は県や市の関係者に加え、地元のライフセーバーたちも参加した。
ドローンにはカメラ・無線スピーカー・救命具などが取り付けられており、カメラが捉えた画像は海岸に置かれたモニターで確認することができる。
実験は海で溺れている人がいるという想定で行われた。ドローンに搭載されたカメラで水難者を確認すると、ドローンのスピーカーでの呼びかけと同時に救命具を投下。その後、ライフセーバーが海上に浮かぶ水難者を救出した。
下田市で最も多くの海水浴客が訪れる白浜大浜海岸では、離岸流による水難事故が度々発生している。夏季にはライフセーバーも常駐しているが、彼らのほとんどは首都圏の大学生で、ライフセーバーの継続的な人材確保が課題となっている。ドローンを活用して省力化が実現すれば、ライフセーバー不足が解決に向かう可能性がある。
今後は夏に再度実証実験を行った後、マニュアル作成やドローンパイロット育成も進めていくという。「いずれは地元のライフセーバーの中からドローンを扱える人材を育成していきたい」と市の担当者は話す。