子孫繁栄、無病息災、夫婦和合などを祈願する「どんつく祭り」が10月5日、稲取文化公園(東伊豆町稲取)を中心とする東伊豆町稲取地区で開かれた。主催は稲取温泉旅館協働組合。
赤と青のてんぐ面や世界最大の男性器オブジェといわれる大きな御神体など、特徴的なシンボルが登場することから「天下の奇祭」と呼ばれる同祭。担い手不足や予算の不足、さらにはコロナ禍の影響で2018(平成30)年の開催を最後に休止となっていたが、過去の来場者からの存続要望や観光庁からの支援も得て昨年復活。今年で55回目を迎えた。
素盞鳴神社(東伊豆町稲取)の例大祭で行われる祭典の一部をクローズアップした観光祭として行われており、成人男性が「お面さん」として赤色と青色のてんぐ面をかぶり、男性器を模した棒で住民を突く儀礼が行われる。突かれた人には夫婦和合や子孫繁栄、無病息災のご利益があるとされている。
同イベントの最も特徴的なシンボルは男性器をかたどった御神体。みこしに載せられて会場を練り歩く長さ2.2メートルの御神体や、50周年を記念して作られた長さ4.2メートル、直径80センチ、総重量2.2トンを誇る御神体を見ることができる。御神体の前で記念撮影をする観光客の姿も多く見られた。
みこしが稲取文化公園から温泉場までを往復しながら練り歩き、特設ステージでは「フラダンス」「どん太鼓」「芸者踊り」「ばかばやし」などのパフォーマンスが披露され、会場は大いににぎわった。会場には地元飲食店をはじめ15以上の屋台が出店。終盤には花火も打ち上げられた。
東京在住で、昨年に引き続き「どんつく祭り」を訪れた30代男性は「昨年の熱気と衝撃が忘れられず今年も訪れた。雨をかき消すように地元の人たちがみこしを担ぐ姿を見て元気が出た。来年もこの奇祭に参加できたら」と話していた。