河津町沢田地区で新たに誕生した青年団体が主催する初の夏祭り「涅槃堂(ねはんどう)夏祭り」が8月24日、涅槃堂(河津町沢田)境内で開かれた。
主催したのは、地元の20~40代の若者11人が立ち上がり今年発足したばかりの沢田地区の「青年部」。部長を務める池田功さんは「昨年、地元子ども会のイベントを手伝った時に、子育て世帯の数が少なく、イベントを子ども会だけで運営できていない現状を知った」と会の発足経緯を話す。「来年は、その子ども会も休会してしまう。地域で子育てを応援したいと考えた」とも。
15年前に下田から河津町沢田地区に家族で移住したという池田さん。「引っ越した当時は心細かったが、地域の人たちが温かく迎えてくれた。自分の子どもたちが小さかった頃は、地域の人たちに世話になった。自分がしてもらったことを地域にお返ししたい」と話す。
会場となった涅槃堂は江戸時代初期に創立されたと伝えられる場所で、釈迦が入滅する様子を表した仏像「涅槃仏」を堂内に祭っている。同仏像はヒノキの一本造りで長さ2メートル60センチあり、1600年代半ばの作とされている。
当日は境内にちょうちんを飾り付け、青年部メンバーらが屋台で、焼きそば、焼き鳥、かき氷などを提供した。町内のおやじバンド「ザ・バードブレイズ」も演奏を披露して、会場を盛り上げた。
「手作りのイベントだが、こんなに人が集まって楽しんでくれてうれしい。屋台の食材も協賛者の皆さんに協力いただいた」と手応えを見せる池田さん。「沢田は人が穏やかで住みやすい。子どもたちが大人になったときに、そういう地域の素晴らしさが思い出として残ることを今後も企画していきたい」と話す。