講演会「『エコツーリズム』を学ぶ~ローカルに考え、グローバルに行動するラウンドテーブル」が9月26日、下田市民文化会館(下田市四丁目)で開催され、51人が海外で活躍する研究者らの話に耳を傾けた。下田市が昨年始めた「下田市グローカルCITYプロジェクト」の一環。
これまで同プロジェクトでは、2つのワーキンググループがそれぞれ月1回のペースで勉強会を開き、下田の将来についてさまざまな提言を行ってきた。今回の「エコツーリズム」もその一つで、環境に配慮しながら、その地域の文化に触れたり、環境保全について学んだりしながら観光を楽しむことを指す。
今回の講演会は、今年8月に下田市と連携協定を結んだ上智大学と共催する。下田市在住で上智大学アイランド・サスティナビリティ研究所所長のあん・まくどなるどさんの他、コロンビアやバルバドスなどから4人の専門家が登壇。下田市からも有識者2人がコメンテーターとして参加した。松木正一郎市長のあいさつの後、まくどなるどさんの司会により、講演会は英語と日本語で進行された。
研究者らはエコツーリズムについて、それぞれが体験した事例を紹介。マングローブの木を植えるツアーを紹介したハベリアナ大学(コロンビア)のマリア・ガルビス教授は、「観光客はただお金を払って木を植えるのではなく、地域の人と協働・交流し、なぜこの行動が必要なのかを学ぶ」とエコツーリズムの意義について述べた。
ウエストインディーズ大学(ジャマイカ)のパトリック・マコーニー教授は、アカウミガメの産卵場所をガイドする地域住民が、同時にカメの保護活動にも取り組んでいるいることを紹介し「エコツーリズムと地域住民の生活はどちらも大切。どちらかを犠牲にしてはならない」と語った。
講演会に参加した女性は「今まで下田にきれいな海や山があるのは当たり前だと思っていた。自然を観光活用していくためにも、環境保全が大事だと思った」と話していた。