下田市と賀茂郡を中心に電気工事を手がける「下田電化設備工業」(下田市西本郷)が6月13日、創業60周年を迎えた。
同社の設立は1963(昭和38)年。当初は「下田電化サービス」として発足し、1979(昭和54)年に現在の社名となった。現在の社員数は12人。
伊豆南エリアの中で特定建設業許可の免許を持つ数少ない電気工事会社の一社で、近隣家庭でのちょっとした困り事から、地域のトンネル照明や学校の空調工事などのさまざまな公共工事まで幅広く手がけている。2000(平成12)年の「道の駅開国下田みなと」や2017(平成29)年の「下田警察署松崎分庁舎」などの新築工事にも携わった。
現在の社長は長野県出身の岡部勇気さん。結婚を機に下田に移住して同社に参画し、義祖父が興した会社を5年前に義父から受け継いだ。「外から来た自分の役割は会社に新しい風を吹かせることだと思っているが、ずっと受け継がれてきた社訓は大切にしている」と話す岡部さん。「特に社訓の一つに掲げている『電気事業を通じた社会貢献』を忘れぬよう常に心がけている」とも。
そんな岡部さんは、青年会議所、ロータリークラブ、PTAなどの地域活動にも積極的に参加している。2019年には下田青年会議所の理事長として、50周年事業を先頭に立ってやり遂げた。地域活動に関わる理由について、岡部さんは「地域での仲間作りはもちろん、さまざまな利害関係者の中での立ち回り方を学ぶ貴重な場」と話す。
大きな節目を迎えて岡部さんは「60周年を迎えることができて感謝の気持ちでいっぱい。先人たちが築き上げてきた会社を次の世代につなげていけるよう、これからも努力していきたい」と力を込める。