西伊豆町在住のガラス作家たちで構成する「西伊豆硝子舎」が6月10日、宇久須神社(西伊豆町宇久須)の拝殿に240個の青い風鈴を飾り付けるイベント「風鈴神社」を始め、訪れた人の目と耳を楽しませている。昨年に続き2回目の開催。
西伊豆町は、かつてガラス原料のケイ石産出が盛んだった町で、ガラスのテーマパークやガラス工芸作家の工房が集まるなど、独自のガラス文化を作り上げてきた。2001(平成13)年には、西伊豆の夕日や特産品を表現した風景「かも風鈴」が誕生。この地域のかつての地名「賀茂村」から名前を取ったこの風鈴は、町の特産品として定着している。
同イベントは、国連が「国際ガラス年」に定めた2022年の初開催が好評を博したことから、今夏も再び開催することが決まった。拝殿に飾られた青い風鈴は「西伊豆の空と海」をイメージして町内在住のガラス作家5人が制作。拝殿ではケイ石も展示し、イベント期間中限定の御朱印も用意する。
昨年は神社で展示のみを行ったが、「飾られている青い風鈴を購入したい」という声が多く寄せられたことを受け、今年は祈とうを受けた「青い風鈴」(5,500円)を88個限定で、黄金崎クリスタルパークのみで販売する。
宇久須神社で商売繁盛や健康を祈る神事を行った後、祈とうを受けた青い風鈴をリヤカーで引き売りしながら販売場所となる「黄金崎クリスタルパーク」(宇久須)へ運んだ。神社には引き売りが始まる前から客が集まり、道中では風鈴の音色を聞きつけた地元住民や観光客たちが購入する姿も見られた。
「黄金崎クリスタルパークで偶然イベントのことを知った。現地に行けば購入できるかもしれないと足を運んだ」と神奈川県から観光に訪れた男性は話す。「神事から見ることができ、とてもラッキーだった。来て良かった」とも。
ガラス作家の生島賢さんは「今年は祈とうを受けた青い風鈴を販売する。とにかくたくさんの人に訪れてもらいたい」と呼びかける。
開催は8時~17時。荒天の場合は中止となることもある。9月26日まで。