西伊豆町民の生活に深く浸透し、年間流通額が17億円を超える規模にまで成長した地域通貨「サンセットコイン」が4月1日、新システムへ移行し、新たなスタートを切った。
サンセットコインは、2020年5月に同町でスタートした地域通貨。町内の加盟店では、カード券面またはスマホアプリに表示されるQRコードを読み込むことで、チャージしてあるポイントを使って決済することができる。西伊豆町が夕日の名所であることにちなんで、ポイント単位は「ユーヒ」。1ユーヒ=1円の価値を持つ。
かねて町内の消費循環を活性化させるために検討が進められていたところに、コロナ禍で主要産業の観光業が大きなダメージを受けたことが後押しとなり、導入を決定。全町民に1万ユーヒを付与したカードを配布した。
その後、国からの交付金などを原資に、買い物時に5%のポイントを還元するキャンペーンを積極的に展開。さらに、歩数計アプリと連携した健康活動に対するポイント付与やボランティア活動参加者へのポイント付与、釣った魚を直売所に持ち込むとポイントがもらえる「ツッテ西伊豆」など、さまざまな施策に取り組んできた。
その結果、サンセットコインは幅広く町民に浸透し、初年度は2億2,000万円ほどの流通額だったものが、2023年には17億円を突破。その後も年16~17億円規模の流通額となっている。
今回のシステム変更の背景には、システム利用料の値上げがある。西伊豆町産業振興課の土屋佑斗さんは「これまで使っていたシステムの料変体系が変わることになった。サンセットコインは人口規模の割に流通額が大きいため、変更後の料金体系だと手数料がかなり割高になってしまうことが明らかになった」と話す。
4月1日からは新カードと新アプリに移行。これまでのカードやアプリは使えなくなった。町では2月中旬から、松崎高校美術部の栗本健正さんのデザインを採用した新カードを全町民へ郵送。さらに3月には職員が加盟店を訪問して新たなアプリのインストールをサポートしたほか、町民向けアプリ切り替え特設窓口の設置などに取り組んできた。
新システムでも、これまでとほぼ同規模の164店舗でサンセットコインを利用可能。決済方法は従来とほぼ同様だが、新たに店側が提示したQRコードをアプリで読み取る方式も追加し、よりスムーズな会計が可能になった。
「サンセットコインで住民活動をもっと活性化していきたい」と話す土屋さん。「参加者が力を合わせて課題をクリアするとポイントが付与されるようなキャンペーンのアイデアも出ている」とも。