地域貢献に関心を持つ学生たちが地域課題解決に取り組む「JALガクツナプロジェクト」が3月12日~18日、西伊豆町で行われた。6人の学生が1週間、同町に滞在し、西伊豆町の観光PR動画制作に取り組んだ。
同プロジェクトは、日本航空(JAL)がESG戦略として掲げる「移動を通じた関係・つながりの創造」を具現化した取り組みの一つ。地域貢献への意欲が高い学生と、若者の視点を求める自治体や事業者をつなぐことで、将来的に地域と継続的な関わりを持つ「関係人口」の拡大を目指している。
2025年8月の福岡県宗像市を皮切りに、北海道上士幌町や津別町などでの開催を重ね、今回が第8弾となる。毎回、自治体の課題に合わせてプログラムをカスタマイズしており、初回の宗像では1次産業の体験が主だったが、今回の西伊豆町では「観光PR」をテーマに据えた。
西伊豆町が舞台に選ばれた背景には、プロジェクトメンバーで羽田空港に勤務する西岡桜子さんの強い推薦があった。西岡さんは学生時代に所属したボランティア団体「IVUSA」の活動をきっかけに同町と出合い、社会人となった今も「第二のふるさと」として頻繁に訪問しているという。「西伊豆町には空港がないため、JALにとって直接的な利益は少ないかもしれない。しかし、全国各地との『関係・つながり』を創り出すことは、長期的には航空利用を含む人流や物流の活性化につながると信じて企画した」と西岡さんは話す。
今回のプログラムには、全国から集まった20人の応募者の中から選ばれた大学生6人が参加。2チームに分かれ、SNS向けの観光PR動画制作に取り組んだ。
7日間の滞在中、学生たちは黄金崎や西天城高原などの景勝地をはじめ、「伊豆トリックアート迷宮館」「堂ヶ島遊覧船」などで観光体験をし、さらに「堂ヶ島食堂」「西伊豆コーヒースタンド」など地元の飲食店などを精力的に取材。1分前後の動画を各チーム3本ずつ、計6本を制作した。
完成した動画は、王道の観光プラン紹介から、カップル向けの西伊豆町での過ごし方の提案、さらには同一人物が同じポーズで各地を巡るアート性の高い作品まで、若者らしい感性が光る力作がそろった。最終日には西伊豆町役場で報告会が行われ、関係者へのお披露目とプレゼンテーションが実施された。
プログラムを終え、西岡さんは「大好きな場所に若い世代が来てくれたことが何よりうれしい。今の学生は『体験(コト消費)』を重視するためか、町の人々と積極的に対話し、西伊豆ならではの深掘りした魅力を探す姿が印象的だった」と振り返る。
制作された動画は今後、町の公式SNSで発信する予定。ガクツナプロジェクトでは今後も、「夏季の北海道での農業体験など、地域と若者をつなぐ多様な企画を継続していく」としている。