下田のゆるキャラ「ぺるりん」をはじめ、さまざまなデザインやイベントを通して「地元愛」を発信する佐藤デザイン事務所(下田市中)が3月15日で10周年を迎えた。
代表の佐藤潤さんは看板店の長女として下田で生まれ、将来は後継ぎになることを期待されていた。しかし佐藤さんが事業承継する前に実家の看板店は廃業。佐藤さんは専業主婦を経て、地元の印刷会社に就職した。2003(平成15)年ごろからは副業として個人でデザインの仕事を受けるようになり、2013(平成25)年に独立して佐藤デザイン事務所を立ち上げた。
主な事業内容は、デザイン制作と地元企業のチラシやパッケージ制作。これまでに下田のゆるキャラ「ぺるりん」のデザインや、バイクのご当地ナンバープレート、地元の焼酎とレモンを使った「下田ハイ」の専用グラスなどを手がけてきた。
写真家としての活動にも取り組んでおり、地元の写真愛好家たちが集まり景色の撮影と発信に取り組む「下田写真部」にも2015年から2017年まで所属していた。「下田写真部で人脈が広がったことが、デザインの仕事でやっていける自信につながった」と佐藤さんは振り返る。
さらに賀茂地域では唯一の「静岡6次産業化サポートセンター専門家」にも名を連ね、「コミュニティスペース羽衣」(二丁目)では宿泊業とイベント企画にも取り組む。地域の一次産業事業者やクリエーターによるイベントを開いてきた。
今後は、SNS発信のアドバイスや、景観・古民家などの地域資源を生かした高付加価値コンテンツの開発など、地元に根付いた取り組みにも意欲を見せる。「今まで手がけてきたことを、今度は多くの人たちが関われるようなシステム作りをしていきたい」と笑顔で話す。