
地域特産の「ところてん」を題材にした競技大会「トコリンピック」が9月21日、伊浜漁港(南伊豆町伊浜)で開かれた。地元住民や観光客ら約200人が集まり、会場は笑顔と歓声に包まれた。
特産品であるテングサでまちおこしをしようと毎年行われている同イベント。会場では「流しところてんつかみ」と「ところてん早食い競争」の競技が繰り広げられた。
今年は同町で「田舎留学」に参加中の大学生たちも加わり、若いエネルギーが会場をさらに盛り上げた。会場では地元に伝わる「波勝音頭」が披露され、口頭伝承を基に楽譜に起こした貴重なメロディーに合わせて参加者全員が輪になって踊った。
「流しところてんつかみ」の競技では、ところてんをつかもうと必死の表情の参加者たちに、周囲からは大きな声援と笑いが沸き起こった。
「ところてん早食い競争」では、女子の部でヒリゾ浜スタッフの高橋由美さんが初出場で見事、優勝を果たした。渡し船が欠航となり急きょ参加した高橋さんだったが、「まさか優勝できるとは思わなかった。大変うれしい」と驚きと喜びを語った。総合の部を制したのは西村大和さん。ニュースで同イベントのことを知り、前日から車中泊で臨んだ。「想像以上に酢でむせたが楽しかった」と充実した表情を見せた。
今年は初めて会場にキッチンカーも出店した。家族連れや学生たちが思い思いに地元グルメを楽しみ、祭り気分を盛り上げた。主催する伊浜躍進の会の斎藤和宏会長は「初の試みだったが、皆さんに楽しんでもらえて良かった。来年もテングサがたくさん捕れるように頑張りたい」と意欲を見せる。