
都市部の大学生たちが地方のリアルを体感する「わがまち魅力化プロジェクト」に参加する大学生12人が9月15日~18日に松崎町を訪れ、地域の観光資源を生かした事業提案を行った。地方創生やSDGsを推進する人材育成に取り組む一般社団法人「コッレーガ」が主催し、日本総合研究所と社会開発教育センターが共催した。
プレゼン後の交流会では町内の特産品が振る舞われた(関連画像7枚)
同プロジェクトは、都市部で生活する大学生が少子高齢化や過疎化などの課題を抱える地方の町に滞在し、地域住民との交流やフィールドワークを通じて町の魅力や課題を探り、地域の魅力向上のための事業案を提案するもの。大学生の成長と地域に新たな視点を与えることを狙いとしている。
同プロジェクトは2016(平成28)年から鳥取県日野町で、2019年から山梨県市川三郷町で実施され、約3年ごとに場所を変えながら開催している。松崎町では2024年に続く2年目の取り組みとなった。これまでの取り組みでは、大学生から提案された事業プランが実現に至ったケースも多いという。
今回の3泊4日のプログラムには、横浜市立大学や慶応義塾大学など全国5つの大学から集まった12人が参加した。一般公募で集まった約30人の中から選考を経て参加が決まり、6~8月に4回のオンラインでの事前グループワークを経て、松崎町を訪れた。
参加者らは3泊4日の間、町内各所での視察やヒアリング、地元中学生との交流などを行い、松崎町の観光資源を生かした事業を練り上げた。最終日に松崎町役場で行われたプレゼン大会では、「石部棚田でピクニックができるようにする」「若い世代で流行している『ぬい活』と旅を融合した『ぬい旅』を楽しんでもらう」「都市部の小中学生の体験プログラム『まち留学』を実施する」などの提案が行われた。
コッレーガ代表理事の内田誠一さんは「単なる事業プラン提案にとどまらず、それが実現されているのが当プログラムの特徴の一つ。今回のプレゼンでも、30人近くの地域の事業者を集めて採用したいプランに札を上げてもらうなど、事業者とのマッチングに特に力を入れた」と話す。
プレゼンを聞いた地域住民からは「全く想像がつかない面白いアイデアに驚かされた」「スモールスタートであれば実現可能なこともあると思えたので、これからも協力していきたい」などの声が聞かれた。
参加した学生からは「松崎町のことについてあまり知らなかったが、現地に来て地域の人々と触れ合うことで、想像を超えて楽しいことがたくさんあった」「交通費をどうするか考えなければいけないが、これからも小さなことでも町に関われたらうれしい」などの声が聞かれた。
内田さんによると、同プログラムは来年も松崎町で開催予定で、は2026年4~5月ごろに参加者を募集するという。