
全長241メートル、総トン数5万444トンを誇る日本最大級のクルーズ船「飛鳥II」が8月2日、夏休みツアー「サマークルーズ」で松崎港(松崎町松崎)に初寄港した。港周辺では地元の飲食店が出店したほか、松崎海水浴場では「サザエ狩り」「バナナボートクルーズ」などの歓迎イベントを開催。約800人の乗客を歓迎した。
歓迎セレモニーで深澤準弥松崎町長は「数年前にコロナ禍の影響で中止となり残念だったが、今回いよいよ松崎港に寄港した。本当に感無量。台風の予報円が伊豆半島に進んできた際には、スマートフォンの予報円を何とか指でずらせないかと思った。このように穏やかで素晴らしい天候に恵まれたことを心からうれしく思う」とあいさつした。その後、「飛鳥II」船長から初寄港を記念する盾が町長へ贈られた。
乗客は沖に停泊した「飛鳥II」本船から、上陸用のテンダーボートで松崎港に上陸。町長をはじめ、松崎町マスコットキャラクター「まっちー」や静岡県イメージキャラクター「ふじっぴー」ら地元の人々に拍手で歓迎される中、町内の美術館巡りや伊豆の夏を楽しむバスツアーに向かった。東京から来た女性は「子どもたちの予定に合わせて親子で来た。堂ヶ島の洞窟巡りをするのが楽しみ」と話す。
同船を所有する郵船クルーズによると、今回は通常のクルーズより子どもの数が多く、140人ほどの子どもたちが乗船していたという。松崎海水浴場の波打ち際で行われた「サザエ狩り」では、子どもたちがビニール袋を片手にサザエやハマグリを拾い上げた。神奈川から来た子どもはサザエのつぼ焼きを食べながら「コリコリしている。自分で取ったものだからおいしい」と笑顔で話していた。砂浜で行われた「宝探し」には乗船客に加えて一般の海水浴客なども参加。多くの親子連れが真剣な表情で砂に埋もれた数字を探し、景品と交換した。
「お見送りイベント」では、本船に戻るテンダーボートを松崎町の太鼓集団「牛原太鼓」の勇ましくリズミカルな演奏で見送った。「飛鳥II」は17時に松崎港を離れ、横浜港に向かった。