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西伊豆で移住者3人が漁業権取得 釣り人関係人口創出プロジェクトから

新たに漁業権を取得した松井さきさん(提供写真)

新たに漁業権を取得した松井さきさん(提供写真)

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 西伊豆町と「フィッシャーマン・ジャパン」(宮城県石巻市)が進める、釣り人の関係人口創出プロジェクト「西伊豆&ANGLER」が7月24日、同プロジェクトを通じて西伊豆町に移住した3人が新たに漁業権を取得したことを発表した。

新たに漁業権を取得した三上陽平さん(提供写真)

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 漁業権を取得したのは、東京から移住した松井さきさん、白方健一さん、埼玉から移住した三上陽平さんの3人。いずれも移住歴は1年ほどで、他に本業を持ちながら、趣味の釣りを生かして副業的に漁業に取り組むスタイルでの活動を予定している。移住して間もない上に専業漁師でない人が漁業権を取得するのは「全国的にも極めて珍しいケース」だという。

 2023年7月に始動した同プロジェクトでは「釣りを複業にできる町」を掲げ、まずは釣り人に地域との関わりを持ってもらうことからスタート。地元漁師らとの交流機会が少なかった釣り人との橋渡しを進めてきた。

 同プロジェクトでは、釣りや地元住民との交流を体験できるツアーも実施しており、今回漁業権を得た3人もいずれもツアー参加をきっかけに移住を決めた。松井さんは「ツアーを通じて心配事を相談できる方々を紹介してもらい、安心して西伊豆での生活を具体的にイメージできた。その日のうちに移住を決断した」と振り返る。伊豆漁業協同組合の山田雅志さんも「ツアーで互いの人柄を知った上で移住できるため、ミスマッチが起こりにくく、とても良い取り組み」と評価する。

 新たに漁業権を得た3人は、「西伊豆の魅力を追求、発信することでより多くの方に移住し、二足のわらじを履くという選択肢に興味を持ってもらえたら」(松井さん)、「ようやくスタートラインに立てた。遊漁船の操業や漁師として独り立ちできるよう努力したい」(三上さん)、「漁業者としての心得を学びながら、『おいしい、楽しい、美しい』西伊豆の魅力を発信していきたい」(白方さん)と、それぞれ意気込みを見せる。

 星野淨晋西伊豆町長は「西伊豆町では、漁業をはじめとした海の恵みを地域の宝と位置づけ、それを生かした新たな産業の形『海業』の推進に取り組んでいる。漁業者の高齢化が進む中で、志ある方々が地域に関わることで、漁港の活用が進み、海と人とのつながりが再び深まっていくことを期待している」とコメントする。

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