
イラストレーターの平尾香さんによる個展「The name of sea」が現在、古書とギャラリー喫茶の店「bookend」(東伊豆町奈良本)で週末を中心に開かれている。海をテーマにした作品を展示し、期間中には映画上映やワークショップなどの関連イベントも行う。
平尾さんの作品は、旅や自然から着想を得た柔らかなタッチの作風が特徴。パウロ・コエーリョの小説「アルケミスト」「ベロニカは死ぬことにした」の日本語版装画を担当するなど、書籍や広告などで幅広く活動している。
今回の個展では、「海」をテーマにさまざまな表情を見せる海に焦点を当てた作品を展示している。「場所や季節・天気・時間によって、また心情によっても見え方が変わる海。それぞれの瞬間の海に名前を付けたらどんなだろう、と思って個展のテーマにした」と平尾さん。
初日の7月5日にはオープニングイベント「旅の途中」を行い、松崎町を拠点とするキャンドルアーティスト「燈火(とうか)」さんと、河津町在住のシンギングボウルとギターのデュオ「コズミックホーム」とがコラボレーションして音楽ライブを開いた。19時に開演したライブでは海に面したテラスにキャンドルをともし、観客はコズミックホームが奏でる音楽に聴き入った。
7月12日には、映画「Pale Blue Dot 君が微笑(ほほえ)めば、」の上映会を開いた。同作品は1990(平成2)年に宇宙探査機ボイジャー1号が撮影した地球の写真をテーマに、科学者や宗教家が地球や命について語るドキュメンタリー。平尾さんがパンフレットイラストを担当した。
19日にはワークショップ「アリエル鉱物店 石読みセッション」を予定。天然石を手がかりに、自身の内面と向き合う時間を提供するという。
期間中、燈火のキャンドル、コズミックホームのオルゴナイトを使ったアクセサリー、アリエル鉱物店の原石から手磨きしたアクセサリーなども販売する。
一連の展示とイベントをプロデュースしたbookend主宰の田邊詩野さんは「アートや文化を通じて、伊豆内外の人たちが出会うことができたらうれしい」と話す。
今後の開催日程は7月18日~21日。営業時間は10時~16時。詳細はbookendのインスタグラムで確認できる。