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松崎町「ベーストレス」に創造賞 まき火活用や古道再生で西伊豆に循環

「ふじのくに地域づくり創造賞」を受賞した「BASE TRES(ベーストレス)」の松本潤一郎社長(右)

「ふじのくに地域づくり創造賞」を受賞した「BASE TRES(ベーストレス)」の松本潤一郎社長(右)

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 西伊豆エリアで古道の再生やウッドボイラーによるエネルギー自給の宿泊施設を手がける「BASE TRES(ベーストレス)」(松崎町松崎)が、「ふじのくに地域づくり創造賞」を受賞した。授賞式が5月15日、同社が新たに手がけるレストランのプレオープンイベントと併せて開かれた。

「薪火レストラン QUEBICO」プレオープンイベントで振る舞われた料理(関連画像5枚)

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 松崎町の空き店舗をセルフリノベーションした建物を拠点とする同社は、「西伊豆をまわす」をコンセプトに、およそ1200年前からある古道の再生・活用による山のアクティビティーを提供するほか、森の整備で出た木材を使ったウッドボイラーによる自給エネルギーの宿泊施設「ロッジモンド」などを運営している。

 同社では新たに「薪(まき)火レストラン QUEBICO(クエビコ)」のオープンを予定している。同店では電力やガスを用いず、調理・給湯・暖房などの全てのエネルギーを地元・伊豆のまきで自給する。食材も地元産を中心に構成し、「循環型レストラン」を目指す。松本潤一郎社長によると、「自分たちで山を整備して、まきを作るところまでやっている循環型レストランは世界初」だという。

 こうした循環を意識した取り組みの実践に加え、ストライダー創業者ら海外の経営者たちもツアー参加のために訪れるなど、国内外からの注目度の高さが評価され、静岡県文化財団から「ふじのくに地域づくり創造賞」が贈られることになった。

 15日のプレオープンイベントには、地元関係者や報道関係者など約50人が来場。イベント内で県文化財団による表彰式が行われた。松本社長は「森の活用に悩んでいる人は日本中に多い。木材は外に運び出すのではなく、その土地でエネルギーに変えるのが良いと考えている。本事例がその一例となれば」と話した。

 イベントでは、同店のまき火料理も振る舞った。来場者からは「こげがおいしいと思ったのは初めて。こうした循環の取り組みに興味を持った人に訪れてほしい」「レストランができると聞いて楽しみにしていた。想像以上にすてきな空間。どの席からでもまき火での調理の様子が見られる」などの声が聞かれた。

 同店は、5月・6月はプレオープン期間とし、イベント利用や団体予約のみを受け付ける。グランドオープンは7月を予定している。

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