
河津建設(下田市中)は5月中旬、下田港で約半年間海底に沈めて熟成させたワインや日本酒など約1100本の「下田海底セラーワイン」を引き揚げた。その一部は、5月17日~19日に開かれた「黒船祭」のレセプションパーティーや試飲ブースで振る舞われた。
2017(平成29)年から、地域貢献事業として海底熟成酒造りの取り組みを続けている同社。市内の希望者から無償で預かった酒類のボトルを下田湾に沈め、およそ半年間かけて熟成させている。
今回は昨年11月6日に同社のクレーン船を使って下田港内の海底に沈めた約1100本のボトルを5月13日に引き揚げ、各依頼者に引き渡した。
参加した「下田プリンスホテル」「ホテル伊豆急」などの市内宿泊施設や、「磯料理 辻」「ラウンジ紫苑」などの市内飲食店では、この海底熟成酒をメニューに取り入れて提供するほか、「志田酒店」「豆州庵」では販売も行っている。
黒船祭では、17日夕方に東急ホテルで開かれたレセプションパーティーで、海外ゲストや鈴木康友静岡県知事らに海底熟成ワインを振る舞った。祭の期間中、街なかに設けた試飲ブースで熟成前後のワインを飲み比べできる企画も行い、味の変化に驚く観光客の姿も見られた。
毎年同企画を中心になって担う河津元常務は「この取り組みを通じて、下田の盛り上げに少しでも貢献できたら」と意欲を見せる。